英国? それともアイルランド? 悩むR.マキロイ
更新日:2012/01/05 12:51
掲載日:2012/01/05 11:32
2016年に迫ったゴルフの五輪競技復帰を前にローリー・マキロイ(北アイルランド)が悩みを抱えている。
ゴルフは同年のリオデジャネイロ(ブラジル)大会で、1904年のセントルイス(米)大会以来112年ぶりに五輪の正式種目となるが、昨年の全米オープンでメジャー初優勝を飾り、現在世界ランク3位で22歳のマキロイの出場はほぼ確実となっている。
ところが、ここに影を落とすのがアイルランドの領土問題。アイルランドというひとつの島が、アイルランドと北アイルランド(英国領)に分かれてしまったのが1920年代のこと。当初、アイルランド自由国だったころには英国の自治領だったが、1949年にアイルランド共和国として独立。その後も、北アイルランドの領有権を巡り、長い間紛争が続いていたが、1998年のベルファスト合意でこれに決着がついた。アイルランド共和国は国民投票を行い、北アイルランド(6州)の領有権を放棄。以降、北アイルランドは、イギリスの一部として落ち着いた状態が続いている。
ゴルフ界では、英国はイングランド(英)、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドとそれぞれ別に表記されているが、実際はひとつの国家であり、五輪にはグレートブリテン(大英帝国)として参加を続けている。だが、経緯を見てもわかるように、北アイルランドとアイルランドは元々は同じ島の国。その事情をかんがみて、北アイルランド市民に限り、英国代表となるか、アイルランド代表となるかを選択することができるのだ。
「正直、まだわからない。決断はあと4年も5年もあるから様子を見るよ」と困惑するマキロイ。どちらの代表として出場しても、重要な役割を果たすことはわかっているだけに難しい選択になりそうだ。