藍、初戦Vならず単独2位 Y.ツェンは連覇達成に涙!
宮里藍のシーズン初戦Vはならなかったが、最後まで諦めず女王を追い上げた姿からは好調ぶりがうかがえた。
米女子ツアーのホンダLPGAタイランド(タイ、サイアムCC)は現地時間19日、最終ラウンドの競技を終了。前日単独トップに返り咲いた宮里藍は4アンダー68とスコアを伸ばしたものの、『66』のチャージを見せたロレックスランキング(女子世界ランキング)1位のヤニ・ツェン(台/通算19アンダー)に1打及ばず単独2位でシーズン初戦を終えた。
序盤は完全にツェンのペース。出だしの1番でいきなりイーグルを奪うと、7番までに5つスコアを伸ばし、5番、6番、9番でボギーを叩いた宮里に一時4ストロークの大差をつけ圧勝ムードが漂った。しかし宮里も負けてはいない。10番でバーディを奪い返すと「ここからがスタート。我慢すれば最後に良いことがある」と自らに言い聞かせ、上がり4ホールで3つバーディを奪い、後半もたつくツェンを強烈に追い上げる。
「後半は本当に苦しかった。アイはどこからでもパーを拾ってくるし、(シン)ジエはバーディ攻勢で追い上げてくるし…。一時4打あったリードが最後は1打。最終ホールもパーで勝てると思っていたらアイがバーディチャンスにつけたから焦りました。こちらもバーディじゃなきゃ勝てないと気を引き締めた」とツェン。18番、ツェンは残り104ヤードの第3打でスーパーショットを披露しタップインバーディを奪い、なんとか1打差を守り切って連覇を達成。すると百戦錬磨の女王が思わず涙を見せ周囲を驚かせた。
「去年は失うものがなかったけれど、(世界で)12勝してNo.1になって開幕を迎えた今年はプレッシャーが大きかった。これで肩の荷が下りました。アイとのラウンドは本当に楽しかった。彼女からは学ぶことがたくさんありました」と2位に終わった宮里に敬意を表した。
宮里は「序盤でヤニにスコアを伸ばされたので苦しい展開になりました。でも自分のプレーには納得しています。10番でバーディを獲ってから2度チャンスに(バーディを)決めきれなかった。それが敗因です」と潔く負けを認めた。それでも「次にヤニと一緒に優勝争いをしたらそのときは私が勝ちます」と笑顔で宣言。今季の宮里には期待して良さそうだ。
通算17アンダー単独3位に申智愛(韓)、通算14アンダー単独4位にエイミー・ヤン(韓)がつけ、通算10アンダー5位タイにステイシー・ルイス(米)ら4人。通算9アンダー9位タイにはカリー・ウェブ(豪)とジェニー・シン(韓)が入った。
その他の注目選手では、この日6アンダー66と爆発したアレクシス・トンプソン(米)がクリスティー・カー(米)らと並び通算6アンダー14位タイ。スーザン・ピーターセン(ノルウェー)は6つスコアを落とし、ブリタニー・リンシコム(米)らと並んで通算4アンダー21位タイ。ナ・エン・チョイ(韓)は通算3アンダー25位タイに終わった。また、ミッシェル・ウィー(米)は通算1オーバー38位タイ、この日8番でホールインワンを奪ったモーガン・プレセル(米)はポーラ・クリーマー(米)らと共に通算4オーバー49位タイで4日間の競技を終えている。
日本勢は、最終日を3アンダー69で回った宮里美香が通算4アンダー21位タイ、諸見里しのぶは通算イーブンパー33位タイ、上田桃子は通算5オーバー単独54位に終わった。