「ネガティブなことは考えない」美香3位タイで決勝ラウンドへ
米女子ツアー今季メジャー最終戦、全英リコー女子オープン(英国、ロイヤル・リバプールGC)は現地時間15日、3日目を終えながら、前日コースに吹き荒れた風の影響で未だ2ラウンドしか消化しておらず、最終日は36ホールの長丁場を消化する変則スケジュールとなった。そんな中、今季念願のアメリカ初優勝を飾り一躍優勝候補のひとりに名を連ねている宮里美香が期待通りのゴルフで優勝戦線を賑わしている。
第2ラウンドでコースレコードの8アンダー64をマークして単独トップに浮上し、2週連続Vに前進した2008年大会のチャンピオン申智愛(韓)と6打差の通算3アンダーながら3位タイにつけている美香。コンディションを考えると十分逆転可能なポジションだ。
「前半は我慢のプレーでした」と言う通り10番スタートの美香は17番までパープレーが続いたが、均衡を破ったのが18番パー5。2オンはならなかったが残り30ヤードの3打目をピンそば30センチにつけ、この日最初のバーディ奪取に成功。続く1番も向かい風の中、残り190ヤードを3番ウッドで攻め50センチにつけるスーパ―ショットで連続バーディ。3番でボギーを叩いたが、5番パー5で残り55ヤードを直接カップに沈めバーディを奪って見せ場を作り、4バーディ、2ボギーの2アンダー70とスコアを伸ばした。
「コースはもちろん難しいですが、難しいと思ってしまうと悪い方に考えがいってしまうので、ネガティブに考えず賢いマネジメントを心掛けました。結果を求めるのではなく、1打ごとにキャディと相談して全力を尽くせたのが良かったのだと思います」とここまでのラウンドを振り返った美香。
強風でキャンセルになった前日も早朝スタートの組だったため連日午前4時前に起きる強行スケジュールが続いている上、最終日はさらに体力的にきつい36ホールが待っている。しかし「アメリカで初優勝して大きな自信がついた」と言う美香は「賢いマネジメント」と「目の前のショットに集中する」作戦で夢のメジャー初Vに挑むつもりだ。
美香以外の日本勢も健闘。やはり優勝候補の宮里藍はイーブンパー72とスコアは伸ばせなかったが、通算1アンダー6位タイの好位置を確保。スポット参戦の一ノ瀬優希も難コンディションの中で2日連続イーブンパー72にスコアをまとめ11位タイにつけ、最終日は連覇を狙うヤニ・ツェン(台)、メジャー優勝経験者のステイシー・ルイス(米)との同組対決が待っている。
また原江里菜は通算4オーバー38位タイで決勝ラウンド進出を決めたが、当初の予定では58位タイ(通算6オーバー)で予選をクリアしていたはずの若林舞衣子は、競技スケジュールが大きく変更されたことで65位タイから50位タイにカットラインが繰り上がった割を食い、1打差で決勝ラウンド進出を逃すことになった。
また木戸愛は通算7オーバー74位タイ、上田桃子はこの日1オーバー73にスコアをまとめたものの初日の出遅れが響き、通算9オーバー93位タイで予選落ち。大江香織はこの日だけで『11』スコアを落とし通算13オーバーで42位タイから125位タイに急降下。上野藍子も通算20オーバー139位タイの下位での予選敗退が決まっている。