欧米同時賞金王よりメジャー優勝が大事なタイガー
タイガー・ウッズ(米)が欧米両ツアー同時賞金王狙いを完全に否定した。
昨季にルーク・ドナルド(英)が達成した史上初の快挙に、今季もローリー・マキロイ(北アイルランド)が続いたが、実は全盛期のタイガーが欧州ツアーのメンバーだったら少なくとも4度、この記録は達成されているのだ。
当時は欧州ツアーのメンバーとなるための出場義務試合数は11で、メジャーやWGCなどを合わせるとタイガーは同ツアーであと1、2試合プレーすれば資格が得られ、同時賞金王になれたのだが、そうはしなかった。「確かに(出場義務試合数が)11だった頃は(同時賞金王の)チャンスがあった。でも、そのことは僕にとって大切ではなかったんだ。自分の一番の目標はメジャーに勝つこと。僕はもう14回メジャーで勝っているし、そのことをすごく誇りに思っている」と胸を張った。
今季も欧州ツアーのアブダビHSBCゴルフ選手権でシーズンの幕を開けており、これにメジャー4試合とWGC4試合もカウントされるため、欧州ツアーのメンバーシップを獲得するにはあとたったの3試合しか必要がなかった。それでも「僕はシンプルに考えている。来季もヨーロピアンツアーでプレーするつもりはない」とキッパリとこれを否定。米ツアー中心の日程でメジャー15勝目を狙うことを表明したのだ。
タイガーが最後に勝ったメジャーはロッコ・メディエート(米)との死闘になった2008年全米オープン。ジャック・ニクラウス(米)の持つ18勝というメジャー最多勝の記録を超えるのは時間の問題と言われながら、スキャンダルやスランプでここ4年間勝てずにいる。今季は久々に米ツアー3勝を挙げて「復活」と言われているが、タイガー自身の中で「完全復活」と言えるのは次にメジャーで優勝をしたときだろう。そのためには欧米同時賞金王など、タイガーにとってはどうでもいいことのようだ。