賞金レースもグローバル化? 2年連続欧米ダブル賞金王誕生
昨年、ルーク・ドナルド(英)が史上初の欧米ダブル賞金王に輝いたのに続き、2012年は若き世界No.1ローリー・マキロイ(北アイルランド)が欧米両ツアーで同時に賞金王のタイトルを獲得した。
マキロイは今季欧米ツアーでメジャー1勝を含む通算5勝を挙げ、米ツアーでは出場16試合中トップ10入り10回を数えて獲得賞金は800万ドル(約6億7,500万円)超を稼ぎだした。同ランク2位に入ったタイガー・ウッズ(米)との差は200万ドル(約1億6,800万円)近く、まさに圧巻のシーズンを送ったといえるだろう。
一方のヨーロッパでもシーズン初戦のアブダビHSBCゴルフ選手権で単独2位に入って勢いに乗ると、シーズン中盤一時“プチスランプ”に陥ったものの全米プロゴルフ選手権優勝で完全復調。最終戦のDPワールドツアー選手権では王者の風格させ漂わせて前年のダブル賞金王ドナルドらを振り切り有終の美を飾り、賞金王のタイトルに花を添えた。
世界No.1と誰もが認める華麗なスウィング。バーディ数が多いのも魅力なら、鋼のようでいて柔軟性のある肉体から繰り出すビッグドライブがゴルフファンを魅了してやまない。まだ23歳と若いだけに今後、タイガー・ウッズ(米)の持つ数々の記録にどれだけ迫れるか注目だ。
それにしても、なぜ2年連続でひとりの選手がダブル賞金王に輝いたのか? 背景には両ツアーのグローバル化がある。といのも各ツアーの賞金ランキングには4大メジャーと世界ゴルフ選手権(WGC)シリーズの賞金がそれぞれ加算されるため、メジャーやWGCなどビッグイベントで成績を出した者が自ずと賞金ランク上位に食い込むことになっている。マキロイはメジャーで1勝、WGCでは出場3試合全てでベスト5に食い込んでおり、ここでの獲得賞金が賞金王レースを大きく左右したといえそうだ。
来シーズンはアメリカに本格参戦する石川遼と2歳年上のマキロイとの同世代対決が大いに楽しみだ。