ベ・サンムン逆転で初V達成! 石川今季初ベスト10入り
一昨年の国内ツアー賞金王、ベ・サンムン(韓)が本格参戦2年目にして劇的な米男子ツアー初優勝を飾った。
同ツアーのHPバイロン・ネルソン選手権は現地時間19日、テキサス州のTPCフォーシーズンズ・リゾートを舞台に最終ラウンドの競技を終了。初日からトップを快走した一昨年の同大会チャンピオン、キーガン・ブラッドリー(米)に1打差の単独2位からスタートしたベ・サンムンが、1アンダー69にスコアをまとめ通算13アンダーで記念すべき初優勝を達成した。
強風の難コンディションに苦しみボギーを先行させたブラッドリーを尻目に、ベ・サンムンは7番までに4つスコア伸ばしブラッドリーから4打のリードを奪う優位な展開に持ち込んだ。しかし9番で痛恨のダブルボギー、10番、15番でボギーを叩き、一旦はブラッドリーに並ばれてしまう。
初優勝のプレッシャーの大きさを伺わせたが、勝負どころの16番パー5でバーディを奪いブラッドリーを突き放すと、池絡みの難しい上がり2ホールを果敢に攻めてバーディ逃しのパー。17番で堪えきれずにボギーを叩いたブラッドリー(単独2位)に2打差をつけ先頭でゴールを駆け抜けた。
ウイニングパットを沈めた瞬間、ベ・サンムンは両手を天に突き上げバンザイのポーズで天を見上げた。「ハッピーです。ベストを尽くして良い時間を過ごすことが出来ました。このコースはとてもタフだし、今日は風も吹いていたけれど上手く切り抜けられた」と晴れやかな笑顔で喜びを爆発させた。韓国ツアーで2年連続賞金王に輝いた後、日本でもマネーキングのタイトルを奪取。主戦場をアメリカに移した昨年はトランジションズ選手権でプレーオフに進出。結果的にはルーク・ドナルド(英)に敗れたもののデビューイヤーから存在感を見せつけ、2年目にして念願の栄冠をつかみ取った。
一方、ライバルであるベ・サンムンの優勝に刺激を受けた石川遼も、最終日は本人いわく「ほぼ完璧なラウンド」で今季初のトップ10入りを果たした。この日32位タイからスタートした石川は出だしの1番で幸先の良いバーディを奪うと、ショットとパットが噛み合い“らしさ”を発揮。9番ではティーショットを水路に打ち込み痛恨のダブルボギーを叩いたが、16番パー5では第3打を直接カップにねじ込む劇的イーグル奪取に成功。ギャラリーの大歓声を浴びた。
結局1イーグル、5バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの3アンダー67をマーク。2日目以降60台を並べて通算6アンダー10位タイに食い込むと「4日間、日に日にショットが良くなった。パッティングも良くなってきたのでこれからが楽しみ。(自己採点は)9点を上げられる」と手応えを口にした。また、初日98位タイと大きく出遅れたが、2日目に盛り返し「予選さえ通ればここまで盛り返せることがわかった」とシーズン初のトップ10入りに大きな自信を滲ませていた。
その他上位陣は、通算10アンダー単独3位にチャール・シュワーツェル(南ア)が入り、通算9アンダー単独4位にジャスティン・ボーリ(米)。全米プロゴルフ選手権チャンピオンのマーティン・カイマー(独)が通算8アンダー5位タイに食い込んでいる。