P.ミケルソン、とんぼ返りで暫定2位タイ発進!!
フィル・ミケルソン(米)が悲願の全米オープン制覇に向けて最高のスタートを切った。
第113回全米オープン第1ラウンドは現地時間13日、ペンシルベニア州のメリオンGCを舞台に開幕。コースレイアウトの関係で1番、11番の2つのティーからスタートしたが、約1時間50分後に雷雨のため中断。約3時間32分経ってようやく再開されたが、日没サスペンデッドとなった。
午前7時11分に11番からスタート予定だったミケルソンだが、フィラデルフィアに着いたのは午前4時過ぎ。コース入りしたのはなんとその1時間前のことだった。ゴルフ以上に家族を大切にすることで知られるミケルソンは、大会前日にカリフォルニア州で行われた長女アマンダちゃんの卒業式に出席するために自宅のあるサンディエゴに戻っていた。その後、オーバーナイトの飛行機に飛び乗り、全米を横断して大会に臨んだのだ。
出だしの11番こそボギーとしたが13番でバーディを奪うと、落ち着いて自分のプレーに集中。4ホールを終えた時点で中断に見舞われたが、再開後もその集中が途切れることはなかった。1番バーディで1アンダーとすると、7番パー4でも第2打を60センチにつけるスーパーショットでバーディ奪取。9番パー3では6メートルのバーディパットを鮮やかに沈めて3アンダー67の暫定2位タイで初日を終えた。
ムチャなスケジュールに「普通じゃないことはわかっている。でも、結果的にいい方向に作用したね。1週間半前にメリオンでの練習は終えていたからね。ここでどんな風にプレーすればいいか、風もクラブもコンディションも全部わかっていたんだ。だから(直前に練習ラウンドをして)もっとメリオンにいる必要はなかったんだ。必要なのは自分のゲームを、タッチを磨くこと。(自宅に戻って)天気のいいところで練習すればよかったんだ。うまくいったね」と白い歯を見せたミケルソン。
大会初日に67を出したのは1999年以来だが、このときはしっかり優勝争いを演じている。最終的にはペイン・スチュワートに敗れて単独2位に終わっているが、幸先のいいスタート。これまで2位(タイを含む)が5回と、誰よりも悔しい思いを味わっている大会で初優勝に向けて走り出した。
雷雲の関係で遅い時間にもまた中断があるなど、ホールアウトできない選手も多かっただけに圧倒的有利な立場に立ったミケルソン。数々の歴史の舞台となったメリオンGCに、新たな1ページを刻もうとしている。