松山単独15位シード確定 石川4連続バーディで26位タイ
優勝争いには絡めなかったが、日本が誇る21歳コンビは最終日も粘りのゴルフでスコアを伸ばした。
米男子ツアーのレギュラーシーズン最終戦、ウィンダム選手権(ノースカロライナ州、セッジフィールドCC)は現地時間18日、最終ラウンドの競技を終了。通算14アンダーで並んだ23歳のルーキー、パトリック・リード(米)と20歳のジョーダン・スピース(米)がプレーオフを戦い、リードが念願の初優勝を飾って幕を閉じた。
前夜からの激しい雨で下がやわらかくなり、スコアが出やすいコンディションとなったこの日、15位タイからスタートした松山英樹は6バーディ、2ボギーの4アンダー66をマーク。通算8アンダーは順位こそ15位(単独)で変わらなかったが、アメリカ遠征最終戦を飾るに相応しい内容で4日間を締めくくった。
我慢のゴルフでスコアをひとつ落とした前日「スタートからバーディを獲りに行く」と宣言した松山は、序盤の3番パー3でグリーンの外からまずひとつ目のバーディ奪取。スコアを伸ばしたかった5番パー5では、第2打を右のラフから右に曲げて痛恨のOBを叩いたが何とかボギーで収めると、6番、7番でショットとパットが噛み合い連続バーディに成功。前半を2アンダーで折り返す。
後半は10番で短いパーパットを外してボギーとしたものの、13番、14番、16番でバーディを奪い、この日だけで4つスコアを伸ばした。
「あまり良いわけでもなく悪いわけでもない普通のプレー」と本人は謙遜したが、最終日になるに従って調子を上げるのが松山の真骨頂。全英オープンで6位タイに入った後、アメリカ参戦4試合で来季のシード権もがっちりと確保。10月から始まる来シーズンは戦いの舞台を米ツアーに移すことになる。
「こんなに簡単にシードが獲れるとは思っていなかったので、上手くいき過ぎてちょっと怖い部分もある。でも今まではまだまだと思っていた(PGAツアーでの戦い)が、少しはやれるんじゃないかという気持ちにはなれた。シードは嬉しいけれどそんなに甘い世界じゃないので、これからが勝負。ショートゲームが足りないことがわかったのでそこをしっかりと練習で磨いていきたい」と浮かれることなく松山は率直な感想を口にした。
一方、石川遼も健闘。31位タイからスタートしたこの日、5番パー5でイーグル逃しのバーディを奪うと続く6番でチップインバーディ。これで波に乗り5番から8番まで4連続バーディでリーダーボードを急浮上。12番パー3ではティーショットでグリーンをとらえられず、アプローチをミスして3オン2パットのダブルボギーを叩き悔しさをあらわにしたが、前日もイーグルを奪っている15番パー5で2日連続イーグルで溜飲を下げる。残念だったのは大詰めの17番でバーディチャンスをスリーパットでふいにしてボギーを叩いたこと。それでも3アンダー67のラウンドには「先週に続いて良いプレーが出来た。この2週間は本当に充実していた」と手応えを滲ませた。
しかし健闘はしたもののフェデックスカップのポイントランキングは151位から141位に順位を上げるのにとどまり、シードの条件トップ125入りを逃した。そのため来季の出場権をかけ下部ツアー上位選手との入れ替え戦(全4戦)への出場を余儀なくされた。初戦は現地時間29日に開幕するホテルフィットネス選手権。
それでも「(入れ替え戦に向けて)手応えはあります。ここ2、3か月良い感じでゴルフが出来ているので、修正するところは修正して、しっかり体を休めて挑みます」と石川の表情はあくまでも明るかった。