松山38位タイも「ゴルフが戻ってきた」 J.B.ホームズ6年ぶりV
2試合連続予選落ちのトンネルを抜け出した松山英樹は最終日のチャージこそならなかったものの、「やっとゴルフが戻って来た」と明るい表情で大会を振り返った。
米男子ツアーのウェルズ・ファーゴ選手権は現地時間4日、ノースカロライナ州のクエールハローCを舞台に最終ラウンドの競技を終了。38位タイからスタートした松山は出だし直後の2番パー3でバンカーからパーセーブ出来ずスコアを落とすと、続く3番&4番もボギーとして前途多難を思わせた。
しかし7番パー5でこの日初のバーディを奪って悪い流れを断ち切ると、15番までに5バーディを量産しリーダーボードの上位を伺うところまで浮上。だが、通称“グリーンマイル”と呼ばれる難易度の高い上がり3ホールで松山に試練が襲いかかる。
16番は何とかパーで凌いだが、17番パー3でティーショットをグリーン右に外すと、アプローチはグリーンに乗っただけ。距離の長いパーパットも寄せ切れず痛恨のダブルボギーを叩いて一歩後退。さらに18番パー4でもパーセーブに失敗し、5バーディ、4ボギー、1ダブルボギーの1オーバー73止まり。通算2アンダーで前日と同じ38位タイで4日間の競技を終えた。
それでも本人は「最悪の状態は脱した。やっとここまで戻って来ることが出来た」と手応えを滲ませる。左手親指故障による練習不足でところどころ納得の行かないプレーもあったが「噛み合えばビッグスコアが出せる」という感触をつかんだ様子。次週はいよいよツアー最高賞金額を誇る“第5のメジャー”、ザ・プレーヤーズ選手権(8〜11日/フロリダ州、TPCソーグラス)。戦える状態まで戻って来た松山のプレーに注目だ。
優勝争いは、前日単独3位に浮上したフィル・ミケルソン(米)が短いパットをポロポロ外して失速。11位タイから逆転を狙ったローリー・マキロイ(北アイルランド)もスコアを伸ばし切れず、前日のトーナメントリーダー、J.B.ホームズ(米)が通算14アンダーで逃げ切って6年ぶりのツアー通算3勝目を達成した。
ツアー屈指の飛ばし屋はデビュー間もない2006年&2008年にギャラリーが多いことで知られるウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープン(当時はFBRオープン)を制して注目を集めたが、その後脳の手術を受け、足首を骨折するなど体調面に不安を抱え昨シーズンはほとんど試合に出ることが出来なかった。“グリーンマイル”でスコアを落としながらの勝利に「神様が見守ってくれたおかげ」と神妙な顔を見せたホームズ。またひとり恐い存在が帰って来た。
1打差の単独2位にこの日7アンダー65と爆発したベテランのジム・フューリック(米)が入り、最終日最終組でツアー初Vを目指したマーティン・フローレス(米)は通算12アンダー単独3位で終戦。初日最下位、2日目コースレコードタイで盛り返したブレンドン・デ・ヨング(ジンバブエ)が通算9アンダー6位タイに食い込み、マキロイが通算8アンダー8位タイ。4つスコアを落としたミケルソンは通算7アンダー11位タイとトップ10すら逃している。