注目選手振り返り 〜ジム・フューリック〜
過去4シーズンにわたって無勝利が続いていたジム・フューリック(米)。長らく優勝から遠ざかっていた古豪は今年、主戦場とする米男子ツアーで約4年半ぶりに勝利の美酒を味わった。シーズン終盤の負傷さえなければ上々の一年となったことだろう。
それまでの4シーズンは、93試合の出場でトップ10入りが30回、2位(タイ含む)には7回入るなど決して絶不調という訳ではなかった。それだけに悔しい期間であったのは言うまでもないが、迎えた今年、シーズン初戦の7位タイからは低空飛行が続くなか、4月のRBCヘリテイジで歓喜の瞬間が訪れる。
初日は5打差36位タイ発進。2、3日目は64-68で回り、4打差5位タイで迎えた最終日、フューリックは4連続を含む計9バーディのチャージで「63」をマークし、ケビン・キスナー(米)とのプレーオフに突入する。第1ホールの18番は両者バーディ、2ホール目の17番はキスナーがバーディパットを外したのに対し、フューリックが4メートル弱を沈めて勝負あり。ツアー17勝目を手にし、大きなガッツポーズで「4年半分のフラストレーション」を解き放った。
その後もWGC-ブリヂストン招待で3位タイに入るなど、トップ5入りを重ねていったフューリック。しかしシーズン終盤、プレーオフシリーズ第3戦で左手首の骨挫傷により途中棄権を強いられると、そのまま同シリーズ最終戦を欠場。フェデックスカップ・ポイントランキングは29位に終わった。また、8度目の出場を予定していた10月のザ・プレジデンツカップでは、選手としてではなく副主将として勝利に貢献することとなり、プレー復帰は来年に持ち越しとなっている。
不安要素を抱えながら年を越すこととなったフューリックだが、2016年は10大会連続出場を目指すライダーカップの開催年だ。前月には米国チーム主将のデービス・ラブIIIからタイガー・ウッズらとともに副主将に指名されたが、同大会への出場者を決めるライダーカップ・ポイントランキングでも上位につけており、選手としての参戦も十分可能なはず。「DNAに組み込まれている」とも表現する同大会に向け、来年は負傷の影響を感じさせない姿を見せてもらいたい。