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エリンヒルズは「簡単すぎるコース」だったのか

更新日:2017/06/20 15:01
エリンヒルズは「簡単すぎるコース」だったのか
エリンヒルズは「簡単すぎるコース」だったのか。議論が巻き起こっている。(写真提供:Getty Images)

 

 現地時間18日にブルックス・ケプカ(米)の優勝で幕を閉じた第117回 全米オープン。戦いの舞台となったウィスコンシン州エリンヒルズは「簡単すぎるコース」だったのか、多くの選手が意見を語っている。

 優勝スコアとなった通算16アンダー、第3ラウンドでジャスティン・トーマス(米)がマークした「63」、そして大会史上最多となる31人のアンダーパーなど今大会ではスコアに関する記録がいくつか生まれたことを考えると、毎年優勝スコアがイーブンパー近くなる全米オープンにしては「簡単すぎる」という声が出るのも不思議ではない。

 2012年大会覇者であるウェブ・シンプソン(米)は「エリンヒルズはとても良いコースだった。ただ、全米オープンらしくない部分もあった」と話す。「全米オープンと聞くと、狭いフェアウェイや多くの木、そして深いラフと固いグリーンを思い浮かべる。ただ今週のコースはフェアウェイが広くて、木が全くなく、グリーンは柔らかかった」

 また、2014年大会優勝のマーティン・カイマー(独)は「コースが速いとか、柔らかいというのは関係なくて、とにかくタフであるべきだ」と持論を展開。「世界一のトーナメントが難しいことは自分にとっては大きな楽しみだ。ただし、アンプレアブルなレベルにしてはいけない。最終的にはイーブンパーで終わるような設定にすべきだと思う」と、同大会が「最も過酷な試練」である伝統を守るべきだとしている。

 一方で2011年の全米プロゴルフ選手権覇者であるキーガン・ブラッドリー(米)は、違った意見を持つ。「確かに全米プロのコーススタイルに近かったが、とても素晴らしいコースだった。全米オープンは時々、不公平な部分がある。今回のコースが『簡単すぎる』というのは大きな誤解だ」

 さらに、ブラッドリーはビッグスコアが出た要因を「4つのパー5があり、パー72だったから」と分析。全米オープンがパー72で開催されてのは、ここ25年で初めてのことだった。これまでコースセッティングをするUSGA(全米ゴルフ協会)は、パー72のコースを開催地に選んでもパー5を長いパー4に変更するなどしてきた。しかし、エリンヒルズではそれを行わず。そのために多くのバーディチャンスが生まれる結果となった。

 スコアが伸びた要因は風にもある。3日目までは予想されていたほどの強い風がコースを襲うことがなく、選手たちは広いフェアウェイにボールを落とすことに苦労をしなかった。しかし、最終日の午前中は強風に見舞われ、その時間帯にプレーした選手はスコアメイキングに苦しんだ。

 その時間にプレーした一人であるアーニー・エルス(南ア)は「このコンディションであれば、1週間プレーしても優勝スコアは2アンダーになるだろう」と話し「ここはリンクスコースにようなスタイルだ。リンクスコースに風が吹かなければ、それはコースを殺すことになる」と語っている。

 2018年大会の開催地はニューヨーク州のシネコックヒルズ。同大会を過去に4度開催する名門コースが舞台となる。

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