年間2勝も、メジャー初優勝はお預けに R.ファウラーを振り返り
2016年は未勝利に終わり苦しい1年を過ごしたリッキー・ファウラー(米)だが、昨年は2月のザ・ホンダ・クラシックで早々に優勝を果たすと、4月のシェル・ヒューストン・オープンで3位タイ、6月のザ・メモリアル・トーナメントで2位タイなどの好成績をおさめた。最新の世界ランクでも7位につける同選手の1年間を振り返る。
母方の祖父からミドルネーム“ユタカ”を受け継いだというファウラー。シンボルカラーのオレンジに身を包み全21戦で奮闘した。初戦は予選落ちを喫したものの、2戦目のウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープンで4位タイ。続くザ・ホンダ・クラシックでは通算12アンダーで首位を守り切り、自己通算4度目、2015年以来となる2シーズンぶりのツアー優勝を飾っている。
好調を維持して臨んだマスターズでは第2ラウンドを終えてトップタイに浮上。最終日には首位と1打差の単独3位からメジャー初制覇を目指したが、スコアを落として11位タイと悔しい結果に終わった。
その後も優勝には手が届かなかったものの、上位フィニッシュを続けたファウラーは、優勝予想1位で6月の全米オープンを迎える。初日にノーボギーの「65」を叩きだして単独首位と好発進。同大会の第1ラウンドにおける最少アンダーパー記録に並び「ゴルフの歴史の一部になることができて嬉しい」と語るも、「でもそれ以上に日曜日にみんなの記憶に残ることをしたいね」と優勝を見据えた。
初のメジャー優勝に向けて「その準備は整っている」と話したファウラーだったが、2日目にスコアを落とすと、3日目を終えて単独5位。首位と2打差から出た最終日はイーブンパー「72」とスコアを伸ばせず、5位タイで大会を終えた。ファウラーがメジャー大会でトップ5に入るのは今大会で6度目のこと。またしても、あと一歩のところでビッグタイトルを逃してしまう。
その後のクイックン・ローンズ・ナショナルでは3位タイと健闘し、さらに9月のBMW選手権を2位タイで終えると世界ランク7位へ浮上。ザ・プレジデンツカップでも米国選抜の優勝に貢献している。
11月のOHL クラシック at マヤコバではパットン・キジーア(米)に肉薄するも惜しくも届かず。1ストローク差の19アンダー単独2位となったファウラーにとって、2位フィニッシュはこれで通算12回目。悔しさはあるものの、同選手は「良いプレーができたと思うし、コースマネージメントも上手くできた」とシーズン初戦のプレーに納得した様子で語った。
そして、12月の非公式戦 ヒーロー・ワールドチャレンジでは最終日にノーボギーの「61」とコースレコードを記録して7打差をひっくり返す逆転優勝。優勝後も膵臓がんと闘っていたジャーマン・レジェス氏へメッセージを送るなど心温まるエピソードとともに優勝に花を添えたファウラー。悲願のメジャー制覇への決意とともに2017年に幕を閉じた。
(写真提供:Getty Images)