ウッズ、超スローで見れば2度打ち? ルール 34-3/10 適用で無罰
タイガー・ウッズ(米)がヒーロー・ワールドチャレンジ(現地時間30日/バハマ/アルバニー)2日目の最終18番で2度打ちをしたのでは? と物議を醸している。
5バーディ、ノーボギーで迎えた最終18番パー4のティーショットは右へ曲がり、ボールは茂みに入った。テイクバックがほぼ取れない状況でウッズは、右膝をついて、クラブを短く持ち見事脱出に成功。
しかし、テイクバックが数センチしか取れなかったので、”打った”というよりも”かき出した”ように見えた。スローで見ると2度打ちに見えるが、約25分の協議の結果、無罰となった。なお、このホールをダブルボギーとし、3アンダー69の通算2アンダー14位タイで終えた。
「2回(ボールがクラブフェイスに)コンタクトした感覚は全くなかった。高画質のスロー動画で見れば、ボールはクラブフェイスに2回ヒットしているが、ノーペナルティ」とウッズはラウンド後にコメントした。
PGAツアーのルール部門を統括するマーク・ラッセル氏は「ウルトラスローにして高画質で見れば、ボールがクラブフェイスに少しの時間のっていて、2度打ちしたように見えるが、ウッズ自身が”2度打ちしました”と感じるのは無理がある」とし、ルール 34-3/10 (ビデオによる証拠の使用についての制限)を適用した。
このルールはスロー再生でルール違反が発覚しても、肉眼で合理的に見る事は不可能で、選手が全く気付かずプレーしていた、ということを競技委員が認めれば無罰というルール。
ウッズが打った後に少しでも”あれ?”というジェスチャーや表情があればペナルティを科せられていたかもしれないが、ウッズが言うように2度打ちした感覚は全くなかったので、今回は無罰となった。
スロー再生ルールはレクシー・トンプソン(米)の悲劇から生まれた。2017年のメジャー大会 ANAインスピレーション3日目の17番グリーンで、トンプソンはボールをマーク。再びプレースした場所が元の場所からわずかにズレていたことがテレビで流れたスロー動画で発覚。
もちろん、故意ではなくトンプソンはいつも通りボールを置いてマークを取っただけ。スローでなければ分からないのだが(つまり肉眼では確認不可)視聴者から指摘が入り、最終日の後半に4打罰(誤所からプレーとスコアの過少申告)を科せられ、プレーオフの末、トンプソンはメジャータイトルを逃してしまった。
ここから視聴者からの指摘は一切受け入れないというルールとともに、スロー再生ルールも追加されたのだ。なお、2019年1月1日から偶然の2度打ちは無罰となる。
(写真提供:Getty Images)