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スロープレーの判断は曖昧? 松山英樹は13年の全英で対象に

更新日:2019/08/20 21:07
スロープレーの判断は曖昧? 松山英樹は13年の全英で対象に
J.B.ホームズは優勝したものの、スロープレーだと批判されている(写真:Getty Images)

 

 先週のPGAツアー「ジェネシス・オープン」は雨の影響で初日のスタートが遅れ、連日の日没サスペンデッドになったり、最終日トップから出たジャスティン・トーマス(米)が崩れ、J.B.ホームズ(米)が逆転で4年ぶりVを果たしたり、松山英樹が9位タイと3戦連続トップ15入りを決めたりと色々あったが、最も話題となったのはホームズのスロープレーだった。

 ホームズは飛ばし屋としても有名だがプレーが遅いことでも有名。特に最終日の4番パー3ではパットをするまでに約1分20秒を費やした。しかも、同組のトーマスがラインを読んでいる時は何もせず待っていたので、それも批判の対象となった。

 PGAツアーには40秒以内にストロークせよ、という規則があるがホームズは無罰。確かに優勝争いをしている時は40秒ルールがあるものの、「この状況ならしょうがない」と暗黙の了解で納得もできるが、ホームズは去年のファーマーズ・インシュランス・オープン最終日の最終ホールでは約4分もかけてショット放ったことがあるので、今回のパッティングが批判されている。

 ブライソン・デシャンボー(米)もプレーが遅いと言われており、1月末にブルックス・ケプカ(米)は「1打に1分20秒もかけるなんて理解できない。番手選びに時間をかけられるとイライラするんだ。飛距離くらい頭に入れておくべきだし、風がすごく吹いていたら別だけど、基本的に(打つまで)そんなにかからない。スロープレーは恥ずかしいこと。だけど、違反してもペナルティを受けたり、受けなかったりと曖昧なのはなぜなんだ」とコメントしていた。

 以前、松山はスロープレーと判断された事がある。2013年の全英オープンでの事だった。3日目に上位争いをしていた松山は後半17番ロングで、ティーショットを曲げ、ボールは深いフェスキューの中へ。状況が状況だったのでセカンドを打つまでに2分12秒を要し、それが原因でペナルティとなってしまった。

 その判断に怒りを露わにし、松山を擁護してくれたのが同組のジョンソン・ワグナー(米)だった。「僕だってスロープレーヤーは嫌いさ。だけど、あの場面ではしょうがないし、時間をかけ過ぎたとは思えない。ヒデキは本当にいい奴なんだ。僕だったら怒り狂っている」と英語が達者ではない松山の代わりに競技委員に抗議してくれたが、そんなに言うならワグナーも罰すると言われてしまった。

 欧州ツアーでは去年、ショット・クロックマスターズという*ショットクロック(時間制限)つきの大会が開催された。基本的には40秒以内にショットを打たなければ1打罰をくらうというルールだ。ある面、試験的に行われた大会だったが、もちろん回るスピードは速くなり選手たちにも好評だった。

 今後、スロープレーに対してどのようにツアーが対応するのかは分からないが、ケプカの言う通り、曖昧な判断はなくしてもらいたい。

*ショットクロックのルール
・各組で最初にショットを打つ選手は50秒以内、後続の選手は40秒以内に打たなくてはならない。

・1ラウンドにつき選手は2回までタイムアウトを取ることができる。この場合、50秒なら100秒、40秒なら80秒と倍の時間を使うことが可能。

・いずれも時間内に打つことが出来なければ1打罰が科せられる。

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