「アウー!」 変則打法の20歳マシュー・ウルフがプロ4試合目で初V
「アウー!」とマシュー・ウルフ(米)がナイスショットを打つたびにギャラリーは叫んだ。ウルフ(Wolff)と狼(Wolf)をかけている。
米男子ツアーの新規大会「3Mオープン」は7日、米ミネソタ州のTPCツインシティ(7468ヤード・パー71)で最終ラウンドが行われ、ウルフが通算21アンダーで優勝した。
ウルフはリッキー・ファウラー(米)らを輩出したオクラホマ州立大学出身で、先月プロデビューを飾り、50位タイ、80位タイ、予選落ち、そして4試合目で勝利。何よりスイングが特徴的でアマチュア時代から話題となっていた。
コーチのジョージ・ガンカス氏が提唱しているGG打法がウルフのスイング。まず、右膝をクイっと内側入れリズムを取る。ヒールアップしながらアップライトに上げ、トップではシャフトがクロスし、そこからオンプレーンに下す。8の字スイング、ループスイングに近く池田勇太のスイングに似ている。
ウルフのスイングを直そうとしたコーチもいたそうだが、ガンカス氏は「いいスイングをしている」と褒め、良いところを伸ばしていった。
最終ラウンドを首位タイから出たウルフは4つ伸ばして最終18番パー5を迎えた。約230ヤードの第2打目を5番アイアンでほぼグリーンオンさせ、カラーから約9メートルのイーグルパットを沈め優勝が決定した。
「言葉が出ない。あの緊張感の中での、あのパット。ツアーカードもかかっていた。オクラホマのナショナルチャンピオンになった時のようにカモンって叫んでいたよ」
この優勝で2年のシード権を獲得、来年のマスターズ出場が決定。「マスターズは夢にまで見た舞台。オーガスタ・ナショナルGCはアメージング。いつもプレーしたいと思っていたけど機会がなかった」。
すでに何勝もしているような貫禄のあるウルフだがまだ20歳。「バージン(ノンアルコール)ピニャ・コラーダで祝う」とお酒が飲めるまであと1年あることに驚きだ。