67歳のランガーがマスターズ引退 小さな村から始まった「信じられない旅」
更新日:2025/04/08 13:27
掲載日:2025/04/08 13:26
ベルンハルト・ランガー(独)がマスターズを引退する。1985年と1993年にグリーンジャケットに袖を通したドイツの名手。本当は昨年大会で引退する予定だったが、アキレス腱断裂により今年に。41回目の出場となる。
7日の記者会見で「時が来た。それが今だと分かった」と語るランガーの言葉には、40年以上にわたり戦い続けてきた男の深い覚悟と感慨がにじむ。舞台のオーガスタ・ナショナルGCは7,555ヤードと長くなっている。
かつては攻めのゴルフで勝利を重ねたランガーだが、飛距離の衰えを痛感したいま「私のティーショットの飛距離ではピンすら見えない時がある」と苦しい胸中を明かす。パー4でパーオンできない現状は「もはや戦う舞台ではない」と結論を下した。
練習ラウンドでは、18ホールを歩いただけで「全身が疲れ切った」と語る。オーガスタ特有のアップダウンは、67歳の体にとっては以前とは違う意味で重くのしかかる。
「人口が800人くらいの小さな村で生まれた。当時はゴルフなんてドイツに存在していないようなもの。そんなところからスタートし、マスターズに初めて招待を受けた時は夢のようだった。信じられない旅だった」
ランガーのキャリアは、勝利の数だけでは語れない。ストイックな姿勢と紳士的な振る舞いで、多くのゴルフファンに愛され続けてきた。その姿勢は、ゴルフというスポーツの本質を体現し続けていたとも言えるだろう。