「Z F65」フェアウェイウッドは構えた感じ、投影面積がわりとあり、丸形で大き目の云わばFWらしいFW。「当たりやすそう」という安心感を構えた際に与えてくれることは重要です。今モデルでは、番手別に性能を発揮させる新設計となっています。#3+、#3、#4の番手ではやはり飛距離重視。カップフェースを従来より8%薄くし、高反発エリアを拡大しています。多少アゴが出たデザインなので悪いライに強く、薄いライでもボールが十分ボールが上がります。やや左足下がりのライから#3+で打ってもボールを拾ってくれました。イメージ以上に高い球が出ます。使うと良さがわかるフェアウェイウッドです。
また、ヘッドのクラウン部分に搭載された「アークサポートチャネル(溝構造)」で、#5、#7の番手では高い弾道で安定したスピン量になるよう番手別に深くなる構造を採用。飛ばすだけでなく狙うためのフェアウェイウッドになっています。
「Z H65」ハイブリッドの形状は、大き過ぎずすっきりとした印象。今はすっかりアマチュアゴルファー向けのクラブの印象が強いハイブリッドですが、もともとはプロが使ってブレイクしました。何故プロが使ったのかというと、左に行きにくいから。しかし、それはアマチュアにとっては逆につかまりが良くないということにもなります。SRIXONもこれまでは左に行きにくいハイブリッドが多かったイメージですが、「Z H65」では、まずオフセットが入ってアップライトに見え、つかまりが悪い印象はありません。弾きも良く、独特のしっかりとした打感とたわみ感をもってつかまり、とにかく飛んでくれそうな手応えを感じます。フェアウェイウッド同様にクラウン部分は「アークサポートチャネル」を搭載し、番手別に適正な弾道を実現させてくれます。これまでハイブリッドが上手く打てなかった方も「Z H65」なら抵抗がないと思います。
また、これは大事なことなのですが、フェースにしっかり溝(フェースライン)を切っているのでドロップやフライヤーなど不安定な挙動にもならないのもいいですね。雨や朝露でボールが濡れているとドロップしやすいのでこの溝のあるなしは本当に重要なのです。そういったところもしっかりクリアしている「Z H65」ハイブリッドの安定感を是非、試して欲しいですね。
フェース長を「Z565」アイアンに合わせているので、中・上級者にとって構えやすい、アイアンタイプの「Z U65」ユーティリティは特にボール上がりやすい!というのが第一印象。アイアン的ではあるのですが弾道が高くスピン量がある。中空構造で重心の深さが感じられます。かといって飛ばないかというとしっかり飛距離も出てくれます。コンパクトなヘッド形状どおり、シャープに振り抜け、打感もいい。どんなライからでも点で狙っていくことが容易になりそうです。#4(23°)、#5(26°)などロフトの多いものは特にアマチュアゴルファーの武器になってくれる予感がします。
まずポケットキャビティの「Z565」アイアンは、前モデルよりもさらにアンダーカット部分が深くなって、たわみ感、ボールの初速感アップしたように感じます。重心が深いのでスピンが入ってきて、ラクに使えるアイアンです。フェースも大きくなってソールも広いので様々なライに強いです。ポケットキャビティの性能が際立っているので、アイアンというよりユーティリティに近いイメージです。軽く振って高弾道で飛んでいく。あまり芯に当てる意識をせずともラクに飛ばせるアイアンです。
次に「Z765」アイアンですが、こちらは現代の名器と言えます。低・深重心+慣性モーメント感が心地良く、ボールとの相性が非常にいい。手にした際のイメージが色々湧きますね。例えば8番アイアンなど、手にするとホールインワンでも狙ってやろうかな?という気持ちになります。ラインがよく出て、スピンもしっかり入り、ピンに矢のように飛んでいく弾道。ラフからの抜けもよく、決して難しいアイアンではないのですが、手にしたゴルファーをワンランク上に導いてくれる、そんなアイアンです。
「Z965」アイアンは面白い。芯で打つことは求められますが、しっかり打てればボールが十分上がってスピンが入ります。感覚的には「ソールの抜け方が球を拾う」という感じ。インパクトロフトが綺麗に入ってくるような。打感はソリッド感があり、ヘッドのすっきりとした見た目で多少の難しい印象はありますが、実はしっかり機能型アイアンになっています。特にアイアンショットの上達を目指すゴルファーに使ってもらいたいですね。
3モデル、総じてスピン量の安定が際立ちますが、これはフェース面の「ダブルレーザーミーリング」に加え、溝断面積を従来モデルより5%拡大したことによる恩恵と言えます。また、新設計のソールによりどのような傾斜でも抜け感が良いのが特徴的でした。
アイアンのセットになっているウェッジは、アイアンのイメージそのままでいっても使えます。S20Cというやわらかい鉄をさらに熱処理技術でやわらかくし、音と打感も良く、心地いいアプローチができますね。
今回試打してくれたのは…
永井延宏プロ
1969年2月2日生。埼玉県出身。「ホールインワン」「プロゴルファー猿」などのゴルフマンガの影響を受け、10歳よりゴルフをはじめる。日本大学櫻丘高校ゴルフ部主将を務め、日本大学文理学部に進学。その後、練習場やゴルフ場に勤務しながら、多くのアマチュア競技大会に参加。1994年にはゴルフ留学のため渡米し、フロリダ、コロラド、カリフォルニアへ。フロリダ州オーランドを拠点に試合をしながら、ジム・マクリーンなどのアメリカ最先端のティーチング・ノウハウを学ぶ。帰国後、レッスン活動をを開始し、2006年にレッスンオブザイヤーを受賞。 公式HP:http://www.deepingolf.com
撮影協力:都ゴルフ倶楽部(山梨県)ゴルフ場の情報はこちら >
撮影(ゴルフ場) : 内田眞樹