まず、少しこれまでの歴史のことを話すと、ダンロップと言えばウッドはやはりプロモデルというイメージです。それはボールで言えばかつて圧倒的人気を誇った、同社の糸巻き「ロイヤルマックスフライ」があり、パーシモンクラブを支えてきた。つまり金属ヘッドになってからもパーシモンライクなドライバーが当初、ウッド作りの入口だったのかなと思います。パーシモン時代がメインキャリアのゴルファーが好むような趣向のドライバー。ヘッドがオーソドックスな形状、引き締まった感じで、ディープフェースだったりなどですね。
2009年モデルの「Z-TX」位からでしょうか。プロ・トップアマチュア限定、というところから少し易しさが見え隠れするようなドライバーになってきました。クラブ性能で言えば、慣性モーメントの大きさや重心の深さ。そういった、ゴルファーに対してのサポート機能が備わってきたように思います。プロゴルファーの考え方も変わってきて、プロ自身が、よりシンプルにプレーをしたい、ことさら難しいクラブを好まなくなってきているという背景がクラブ作りの変遷にあるのかも知れません。
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SPEC
- ヘッド体積
- 460cm3
- ロフト角
- 9.5、10.5°
- 長さ
- 45インチ
- クラブ重量
- 309、306g(S)
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SPEC
- ヘッド体積
- 445cm3
- ロフト角
- 9.5、10.5°
- 長さ
- 45インチ
- クラブ重量
- 316、306g(S)
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SPEC
- ヘッド体積
- 440cm3
- ロフト角
- 8.5、9.5°
- 長さ
- 45インチ
- クラブ重量
- 316g(S)
そういった中、今回発売された3モデルのドライバー。「Z565」「Z765」「Z765 Limited Model」は、歴史を感じさせるものから現代的なものまでを揃えており、それぞれ個性が違い、ターゲットが違います。
まず「Z765 Limited Model」は440cm3の小ぶりの丸型ヘッドでネックも固定式になっており、玄人・上級者好み。たわむ弾きの中に芯が感じられます。この「芯で打てる」ということを、ひとつ技術の中で満たしている方にはLimited Modelは最適。つかまり過ぎないので、叩いて強弾道で飛ばせます。左へのミスを嫌う人であり、尚且つインパクトで芯をとらえられるハードヒッター向けのドライバーと言えるでしょう。アイアンでは、例えばダイナミックゴールドシャフトを使いこなしているゴルファーなどは相性がいいと思いますね。
次に「Z765」は洋ナシ形状で445cm3のヘッド体積ですが、前モデルより投影面積が大きくなっており安心感があります。実際に打ってみると重心距離の浅さが感じられ、その分やや敏感で見た目よりシャープなヘッドの挙動があります。重心が浅い分、低スピン感もより強く出ています。敏感なヘッドを上手くコントロールしながら、ライナー性の中弾道でフェードを打つイメージです。ラインが出しやすく、コントロールしながら飛距離が稼げるドライバーに仕上がっています。
そして「Z565」は一番現代的なドライバーです。重心の深さ、慣性モーメントのバランスが良くボールが上がりやすい。低スピンで高弾道。簡単に言えば易しく大きく飛ばせます。今回のシリーズでは特にフェース下部のヒット時に飛距離性能がアップする設計となっており、「Z565」では特にその恩恵を十分に感じることができます。フェースのどこにボールが当たっても飛距離が落ちないというのは、ゴルファーにとってこんなにありがたいことはないのではないでしょうか。
3モデル共通で大きく感じる性能は“低スピン感”です。低スピンは「曲がりの少なさ」に置き換えられます。スライスやフック、曲がりの多いゴルファーにとって曲がりにくくなるのはいいことですが、ロフト選びには慎重さが求められます。例えば「Z565」ではロフトを多めにして高弾道・低スピンにするなどです。それぞれのクラブの特性を生かし、さらに自身のスイングを鑑みて、持てるパワーを100%、120%伝えていくような、打ち応えがあり、現代のアスリートスイングを実現させることが可能なドライバー、それがNEW「SRIXON Zシリーズ」です。
ドライバーヘッドが3タイプありますが、それぞれにうまく対応し、ニュートラルな働きをする「Miyazaki Kaula(カウラ)」シャフト。手元側から先端までつながりがよく、段差が少ないイメージです。クセがなくスイングしやすい。XXIO9でも使用されている革新技術を搭載したことにより、たわみやつぶれを抑える効果があるのでコシが強く、エネルギー感があります。インパクトの衝撃に当たり負けないような、シャフトのコシの強さで押すような厚みを感じます。スイングした際はそこまでガッツリした感じではありませんが、インパクトでの手応えが強い。また、振り抜きの良さが抜群で、コントロールもしやすく飛距離アップに貢献していることを誰しもが感じられるシャフトですね。