P.ミケルソン圧勝! 史上8人目のマスターズ3勝目
フィル・ミケルソン(米)が圧巻のプレーで3度目のグリーンジャケットに袖を通した。
世界最大のゴルフの祭典、第74回 マスターズはジョージア州オーガスタのオーガスタナショナルGCを舞台に現地時間11日、最終ラウンドの競技を終了。首位と1打差の2位からスタートしたミケルソンがノーボギーの5アンダー67をマークし、通算16アンダーで2位のリー・ウェストウッド(英)に3打差をつけ逆転優勝。2004年、06年に続く今大会3勝目を挙げた。マスターズで通算3勝以上は、ジャック・ニクラウス(米/6勝)、アーノルド・パーマー(米/4勝)、タイガー・ウッズ(米/4勝)、ゲーリー・プレイヤー(南ア/3勝)らに次ぐ史上8人目の快挙。
オーガスタの杜が夕映えに輝く頃、ミケルソンは最終18番をバーディで締めくくりパトロン(ギャラリー)のスタンディングオベーションに迎えられた。両手の拳を天に掲げるポーズで喜びを表現したあと、キャディとひしと抱き合ったミケルソンが真っ先に向かったのは、グリーンサイドで夫の勇姿を見守ったエイミー夫人のもと。昨年乳がんが発覚して以来、家族一丸となってエイミー夫人を支えてきたが、「家族のために勝ちたい」と言っていたミケルソンの夢が現実となり、2人は目に涙をいっぱいに浮かべ、時がたつのを忘れたかのように抱き合い喜びを分かち合った。
この日のミケルソンは前半こそ1バーディと静かなゴルフだったが、12番パー3でバーディを奪ってスイッチが入ると、13番ではティーショットを林に入れながら、木の間を抜くスーパーショットで2オンに成功。楽々のバーディでムードは最高潮に。前日イーグルを奪った14番はパーに終わったものの、15番できっちりバーディを奪って上がり3ホールを迎える。すでにアンソニー・キム(米)が通算12アンダーでホールアウトしていたものの、その時点でミケルソンは通算15アンダーまでスコアを伸ばしており、3打差のアドバンテージが自分のゴルフに徹する余裕を与えた。そして挑んだ16番はパー、17番もパー、さらに18番をバーディという最高の形で締めくくり、念願のマスターズ3度目の栄冠に輝いた。
3打差の2位に前日のトーナメントリーダー、ウェストウッド。昨年の全英オープン、全米プロでそれぞれ3位タイに入り「今度こそ優勝を」と意気込んだが、あと一歩及ばなかった。4打差の3位にこの日7アンダー65と爆発したキムが入り、復帰戦での優勝を狙ったタイガーは浮き沈みの激しいゴルフで3アンダー69止まり。通算11アンダーは崔京周(韓)と並び4位タイに終わった。
また50歳のフレッド・カプルス(米)が通算9アンダー6位と大健闘。大会史上最年少の16歳11か月で予選を突破したアマチュアのマッテオ・マナッセロ(伊)は通算4オーバー36位タイで4日間の競技を終了。今後はプロに転向し、学業とゴルフを両立する考えだ。