L.ウェストウッド、プレーオフ制して欧州勢初王者!
サドンデスのプレーオフ4ホール目。1.8メートルのウイニングパットを沈めたリー・ウェストウッド(英)が、パターを放り投げ満面の笑みで右の拳を突き上げる。それは98年以来、待ちに待った12年ぶりの米男子ツアー2勝目を挙げた瞬間だった。
テネシー州TPCサウスウインドで行われていた同ツアーのセントジュード・クラシックは現地時間13日、最終ラウンドの競技を終了。4日間72ホールを終えても勝者は決まらず、ウェストウッド、ロバート・ギャリガス(米)、ロバート・カールソン(スウェーデン)の3人が通算10アンダーで並び、勝負の行方はプレーオフの戦いへ委ねられることに。
まず1ホール目で4メートルのパーパットを外したギャリガスが脱落。3ホール目でウェストウッドが入れれば勝ちとなるパーパットを外し、大会史上最多のサドンデス4ホール目に突入する。運命の舞台は最終18番ホール。フェアウェイからの第2打をピンそば1.8メートルにつけたウェストウッドに対し、カールソンは12メートルを残しファーストパットがわずかにショート。前のホールで同じような距離を外しているウェストウッドだが、今度は真ん中からカップに沈めツアー通算2勝目をもぎ取った。そして、同大会でヨーロッパ勢初のチャンピオンに輝いたのだ。
実はウェストウッド、最終ラウンドをホールアウトした時点でギャリガスに3打差のリードを許していたため優勝はあきらめ、帰る準備をするところだったという。ところが、最終組のギャリガスが最終18番でティーショットを池に入れトリプルボギーを叩き、突如チャンスが舞い降りたというわけ。「ゴルフは何が起こるか分からない。今回は他人の不運に乗じて勝つことが出来たけど、最後まであきらめてはいけないということ。今年に入ってから何度も優勝のチャンスを逃しているだけに喜びもひとしお」と笑顔で語ったウェストウッド。この勢いで次戦の全米オープンでは、悲願のメジャータイトル獲りに挑戦する。
その他上位陣は、通算9アンダー4位タイにショーン・ミキール(米)とギャレット・ウィリス(米)が入り、通算8アンダー単独6位にヒース・スローカム(米)。最終日に3アンダー67をマークしたカミロ・ビジェガス(コロンビア)が通算6アンダー8位タイまで順位を上げた。
一方、3戦ぶりに予選突破を果たし最終日のチャージが期待された今田竜二は1バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの2オーバー72。通算2アンダーまでスコアを落とし、ローリー・マッキルロイ(北アイルランド)らと同じ29位タイで4日間の競技を終えた。(STATS-AP)