飛ばし屋B.ワトソン、涙のツアー初優勝!
「サンキュー、ママ&ダッド!」
プレーオフ2ホール目で格上のスコット・バープランク(米)を下し念願のツアー初優勝を飾ったブッバ・ワトソン(米)は人目も憚らず号泣し、ガンで闘病中の父親と彼を支える母に感謝した。
米男子ツアーのトラベラーズ選手権(コネチカット州TPCリバー・ハイランズ)は現地時間27日に最終ラウンドを行ない、第1ラウンドから首位を快走したジャスティン・ローズ(英)がスコアを落とし馬群に沈む中、通算14アンダーでホールアウトしたワトソン、スコット・バープランク(米)、次期ライダーカップキャプテンで50歳のコリー・ペイビン(米)がトップタイに並び、3人によるプレーオフにもつれ込んだ。
18番444ヤード、パー4で行なわれたサドンデス1ホール目。まず飛ばし屋のワトソンがピンそば10センチにつけるスーパーショットバーディを奪うと、バープランクも入れ頃、外し頃のバーディチャンスをしっかり沈めてバーディ。しかしペイビンはセカンドショットをバンカーに入れてチップインならずパーで脱落。
2ホール目は16番158ヤードのパー3。ティーショットでグリーンを外したバープランクがアプローチを寄せ切れずパーパットを外す中、きっちり1オン2パットでパーに収めた31歳のワトソンが、ツアー6年目にして念願の初勝利を手に入れた。
妻・アンジーさんと抱き合い喜びを分かち合うと、こらえ切れずに涙。ワトソンにゴルフの道を切り開いてくれた父がガンと闘病中で「父に優勝を見せたかった」と声を振り絞った。
デビュー以来、ツアー屈指の飛ばし屋レフティとして皆が一目置く存在だった。いつ勝ってもおかしくないと言われながら、土壇場の詰めが甘く万年2位が続いていた。今週も「ショットが悪かったから3位以内に入れれば良いと思っていた」と控え目。それがローズの自滅(結局通算11アンダー9位タイ)でチャンスが生まれ、本戦の17番でダブルボギーを叩きながら、最終18番でバーディを奪い返してプレーオフ進出の権利をつかみ取った。もうただの飛ばし屋とは呼ばせない。今季9人目の初優勝者として、夏場のメジャーシーズンはエンジン全開で乗り切るつもりだ。
その他上位は通算13アンダー単独4位にクリス・ライリー(米)。最終日に6アンダー64のチャージを見せたパドレイ・ハリントン(アイルランド)が通算12アンダーで、レティーフ・グーセン(南ア)、リッキー・バーンズ(米)らと並び5位タイに食い込んだ。
尚、今田竜二は予選で姿を消している。