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“アヤコ超え”の藍 「最大の目標はまだ先…」

更新日:2010/08/23 18:24
“アヤコ超え”の藍 「最大の目標はまだ先…」

 

 現地時間22日に行われた米女子ツアーのセーフウェイ・クラシック(オレゴン州、パンプキン・リッジGC)最終ラウンド。序盤のボギーで苦戦を強いられながら、逃げ切って今季5勝目を挙げた宮里藍は、ラウンド後「勝てるとは思っていなかった」と安堵の表情を浮かべた。

 2位以下に3打差の通算11アンダー単独首位からスタートし、最終日もそのまま独走するかと思われた宮里だったが、序盤は「緊張して気持ちに体がついていかなかった」と2番でグリーンを外し、寄らず入らずのボギー先行。悪い流れのまま7番でセカンドをバンカーに入れて再びボギー。いつの間にか後続が迫り状況は大接戦となっていた。

 ところが、9番パー5で残り57ヤードの第3打を4メートルに寄せこの日初バーディを奪うと、続く10番パー5もバーディとして通算11アンダーの振り出しに戻す。後半は現世界ランク1位のクリスティー・カー(米)が意地を見せて1打差まで詰め寄り宮里にプレッシャーをかけるが、そのカーが最終18番の第2打を「コントロールして打ったら、少しだけ右に飛んで距離が足りなかった」と池に打ち込む痛恨のミス。この事態を冷静に把握した宮里が慎重に18番をパーで凌ぎ、初日からの首位を守り抜いて完全優勝を飾った。

「調子はとても良かったんですが、勝てるとは思っていなかったので驚いています」と謙遜した宮里。シーズン5勝は“世界のアヤコ”こと岡本綾子が1987年に記録した4勝を上回る日本人年間最多勝利。世界ランク1位の座に返り咲くことも決まり、自身が最も熱望する米ツアーの“プレーヤー・オブ・ザ・イヤー”のポイントランクでもヤニ・ツェン(台)を抜いて再びトップに浮上した。

 それでも本人は浮かれることなく、「今季最大の目標はプレーヤー・オブ・ザ・イヤー。まだまだ先は長いけど、目標に向かって頑張るだけです。世界ランクは上位が僅差なので、きっとシーズンが終わるまで抜きつ抜かれつが続いていくと思います」と分析した。一方で、世界No.1は「良いモチベーションになっている」と笑顔で語った宮里。自らをコントロールする術を覚えた25歳は、今後もツアーを席巻してくれることだろう。

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