石川遼が今季3勝目! マスターズ出場&賞金王引き寄せた!
国内男子ツアーの三井住友VISA太平洋マスターズは14日、静岡県の太平洋クラブ 御殿場コースを舞台に最終ラウンドの競技を終了。首位タイからスタートした石川遼が通算14アンダーまでスコアを伸ばし、後続に2打差をつける優勝で今季3勝目を挙げた。この結果によりマスターズ出場条件である年末の世界ランク50位以内(現在45位)が確定。さらに今季獲得賞金額を1億4,000万円超とし、賞金ランクトップの金庚泰(韓)に約1,300万円差と迫っている。
この日の石川は1番パー4でティーショットを右に曲げ、ラフからの2打目もグリーンに乗らずボギー発進。ところが、4番で5メートルのバーディパットを沈めて波に乗ると、5番ではマウンド越えのロングパットをねじ込み2連続。直後の6番ロングホールで3連続バーディとして一気に単独トップに立つ。さらに9番で前半4つ目のバーディを奪い、2位以下に3打差をつける独走態勢でハーフターン。優勝の重圧がかかるサンデーバックナインでもスコアを2つ伸ばし、この日は7バーディ、2ボギーの5アンダー67。最後まで首位の座を譲ることなく、逃げ切りVでツアー通算9勝目を飾った。
前週の世界ゴルフ選手権HSBCチャンピオンズからスイング改造に取り組んでいる石川。今大会前のプロアマ戦では元プロ野球選手の桑田真澄氏と同組でラウンドを回り、シーズン終盤にスイング改造をする是非を尋ねた。桑田氏曰く「僕も毎年のように投球フォームを変えていた。上を目指すためには大事なこと。スイング改造しながらでも結果を出すのが本当のスーパースターだよ」。日米を股にかけた大投手からの訓言を胸に抱き、優勝という最高の結果を出した石川はまさに“本当のスーパースター”だ。
ただ、スーパースターの戦いはまだ終わらない。「ゴルフ人生究極の目標はマスターズ制覇」と公言する19歳は、目先の勝利より来年のマスターズ出場が最優先事項であり、その向上心がシーズン終盤でのスイング改造に踏み切らせた。そのマスターズ出場が確定した今、狙うは2年連続となる賞金王のタイトルのみ。シーズンも残すところわずか3試合。賞金王争い最大のライバル、金庚泰を完全に射程圏内に捉えた石川から目が離せない。
なお、最終順位は通算12アンダー単独2位にブレンダン・ジョーンズ(豪)が食い込み、通算10アンダー3位タイに宮本勝昌と谷口徹、そして米ツアーからスポット参戦している今田竜二が入った。金庚泰は通算7アンダーの10位タイに終わっている。