“寝坊失格”から大逆転! J.フューリックが年間王者になれた理由
更新日:2022/10/26 00:57
掲載日:2010/12/26 11:54
タイガー・ウッズ(米)がシーズン未勝利に終わった2010年。米男子ツアーの年間王者ともいうべきフェデックスカップチャンピオンに輝き、ボーナス1,000万ドル(約8億3,000万円)を獲得したのはジム・フューリック(米)だった。
レギュラーシーズン終了時点でのフェデックスカップポイントランクで、3位につけていたフューリックが王者に輝いたことは当然の成行きに見える。しかし、プレーオフシリーズ最終戦であるザ・ツアー選手権の直前、フューリックはポイントランク11位まで後退していた。そこからの大逆転はある意味奇跡的な出来事ともいえる。
何しろフューリックはプレーオフシリーズ初戦のザ・バークレイズで失格するという大失態を犯している。それもスコアの過少申告などルール違反があったわけではない。大会前に行われるプロアマにまさかの“寝坊”で間に合わず、それで失格になったのだ。
本人は「携帯のアラームがどういうわけか鳴らなかった」と釈明していたが、プロアマに遅刻し貴重な初戦に出場すらできなかったのだから、その心中は察するに余りある。だがその後のフューリックは言い訳をせず、恨みがましい文句も一切口にすることなく粛々と自らがすべきことを全うした。
その結果「タイトル奪取には優勝しかない」という重圧の中、並居る強豪を抑えてザ・ツアー選手権で優勝。ポイントランクでも11位から1位へとジャンプアップし、逆転でフェデックスカップ王者の栄冠を手にしたのだ。仮にフューリックが遅刻の言い訳や異議申し立てを大々的に行っていたら、ゴルフの神様は彼を見離していたかもしれない。フューリックの逆転劇から学ぶことは多い。