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韓国勢初の国内賞金女王 アン・ソンジュの素顔

更新日:2010/12/30 15:03
韓国勢初の国内賞金女王 アン・ソンジュの素顔

 

 2010年の国内女子ツアーはセンセーショナルなルーキーの登場で幕を開けた。韓国出身の22歳(当時)、アン・ソンジュが3月の開幕戦ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントでツアー初出場初優勝を達成したのだ。

 米女子ツアーの試合数減に伴い、強豪韓国勢の波がより強く押し寄せてくることが予想された今季の国内女子ツアー。とはいえ、米ツアーではなく韓国ツアーからQTを経てやってきた新人アンの驚異的な強さに、国内プレーヤーたちは戦々恐々。昨季賞金女王の横峯さくらをはじめとするトップ選手たちからも、「韓国勢に負けないよう頑張らなくては」という気を引き締める声が聞こえてきた。

 しかし、アンの快進撃は止まらない。後続に5打差をつける圧勝劇だった開幕戦のダイキンオーキッドを含め、ツアー参戦1試合目から5戦連続トップ10入り。それ以降も安定した成績を収め、7月のスタンレーレディスゴルフトーナメントで早くも2勝目を挙げる。シーズン中盤の8月31日に23歳の誕生日を迎え、1か月後に開催された国内メジャーの日本女子オープンゴルフ選手権競技で単独3位。一気に賞金女王候補の筆頭となると、日本女子オープン翌週のSANKYOレディースオープンで3勝目を挙げ獲得賞金額も1億円を突破。さらに富士通レディースで2週連続優勝を飾り、タイトル争いを繰り広げていた横峯を完全に突き放した。

 過去には米ツアーで優勝経験のある具玉姫、最近では全美貞など数多くの韓国人選手が国内ツアーで活躍。賞金女王に手が届きそうなところまできた者もいたが、最終的に笑った者は一人もいなかった。だが、日本といういわば“アウェー”での戦いをものともせず、アンはツアー参戦1年目で見事に韓国勢初の賞金女王に輝いた。シーズン獲得賞金額は1億4,507万3,799円。年間の平均ストローク(70.6395)、平均パット(1.7502)ともにツアーNo.1の成績を残している。ちなみに、外国人選手による賞金女王タイトル獲得は1991年のト阿玉(台)以来19年ぶり。

 ゴルフでは他を圧倒するプレーを見せつけるアンだが、その素顔は男子プロ・石川遼の大ファンで、初優勝した時から「一度会ってみたい」と頬を染める純情少女。シーズン終了後の日立3ツアーズ選手権でようやく念願を叶え、恥ずかしがって「一緒に写真を撮って下さい」となかなか言えずにいる間に、石川の方から「賞金女王おめでとうございます」と話しかけられたという“うぶ”なエピソードもあるほどだ。

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