2011年注目選手プレビュー 〜金庚泰〜
更新日:2011/01/05 09:41
掲載日:2011/01/01 10:37
1987年にデビッド・イシイ(米)が国内男子ツアー史上初の外国人賞金王に輝いてから23年、2010年は金庚泰(韓)が石川遼、池田勇太との三つ巴の戦いを制して賞金王のタイトルを獲得した。
シーズン最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップまで決着がもつれ、石川&池田が優勝を逃したことで金庚泰の賞金王が確定した時、本人の心の中には「自分は“招かれざる客”。外国人の賞金王を皆は快く思わないのではないか…?」という懸念があったという。しかし、タイトルが決まった瞬間も日本人選手たちは実に温かかった。
とりわけ、選手会長の深堀圭一郎のスピーチは金庚泰の胸を熱くした。「キョンテ(庚泰)は歴としたジャパンゴルフツアーメンバーで我々の仲間です。どうか彼を讃えて、これからも応援してあげてください」。そして日本人選手たちが率先して行った金庚泰の胴上げ。「外国人の僕が賞金王になって、これほど皆が祝ってくれるとは思っていなかった」と目を潤ませた。
礼儀正しい素振り、優しい人柄、そして誰もが尊敬の念を抱きたくなるような高度なゴルフ技術。国境など関係なく、一人のプロゴルファーとして金庚泰は認められたのだ。「あと2、3年日本で努力していずれはアメリカを目指したい」と語る韓国出身の24歳が、今年も国内男子ツアーの主役の一人であることは間違いなさそうだ。