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2010年メジャー展望 〜米男子ツアー〜

更新日:2022/10/26 00:57
2010年メジャー展望 〜米男子ツアー〜

 

 圧倒的な強さを誇るゴルフ界の第一人者、タイガー・ウッズ(米)が当分の間、試合出場自粛を宣言し、米男子ゴルフ界は混沌の時代に突入しそうだ。マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権のすべての大会で、常に優勝候補筆頭であったタイガーの不在。ファンにとっては寂しい事態だが、ライバル達にとっては絶好のチャンスと言い換えることもできる。

 まずは初戦、4月のマスターズ。大会2勝で昨季最終戦のザ・ツアー選手権を制したフィル・ミケルソン(米)を筆頭に、欧州賞金王・リー・ウェストウッド(英)らが優勝候補の筆頭となるが、ここに若い力がどこまで絡んでくるかが大会の行方を左右しそうだ。

 マスターズに限らずすべてのメジャーに言えることだが、最後までウェストウッドと賞金王争いを演じたローリー・マッキルロイ(北アイルランド)と日本の賞金王、石川遼がその台風の目となるのは間違いないだろう。マッキルロイは20歳ながら、様々な経験を積んで一回り大きくなっている。一方の石川も、昨年は特別推薦で初出場したものの予選落ちした悔しさこそ、日本ツアー賞金王への原動力。幼い頃抱いた夢は20歳でのマスターズ優勝だが、それが早まる可能性も十分に考えられる。

 2戦目の全米オープンは、やはり世界最大のトーナメントといわれる門戸の広さが魅力の大会。昨年はミケルソン、デビッド・デュバル(米)らを振り切ってメジャー初優勝を果たしたルーカス・グローバー(米)が、予選会からの勝ち上がり組だったことからも、誰にも可能性があることがわかる。過去5回 2位(タイ含む)という記録を持つミケルソンが悲願の優勝を狙うのはもちろんだが、他にどれだけの選手が絡んでくるか。全米ゴルフ協会(USGA)がメンツをかける難しいセッティングだけに、ショットの安定性と忍耐力が最大の武器となる。その分予選からの出場者にもチャンスがあり、混戦が予想される。

 第3戦の全英オープンは、ゴルフの聖地・スコットランド、セントアンドリュース オールドCがその舞台。難易度が天候次第なのは言うまでもないが、一日のうちに四季があるのが当たり前なのが同地。用具の進化でどれほどゴルフが変わろうと、マザーネイチャー(母なる大自然)が相手の戦いというゴルフの本質を思い知らされるのがこの大会だ。メジャータイトルのないウェストウッドが、母国のナショナルオープンというひときわ思い入れの深い大会を狙いに来るが、どこまで自然を味方につけることができるか。昨年、59歳でプレーオフを演じ、大会の“定年”制度を塗り替えたトム・ワトソン(米)も出場するオールドファンにとっても楽しみな大会になるはずだ。

 メジャー最終戦、8月の全米プロゴルフ選手権は、同大会の舞台としては難易度の高いことで知られるウィスコンシン州ウィストリング・ストレイツで開催される。昨年はY・E・ヤン(韓)が、アジア人初のメジャータイトルを獲得すると同時に首位で最終日を迎えたタイガーの不敗神話を崩壊させるという偉業を達成したが、今年はいかに。前回、同コースが初めて大会の舞台となった2004年にはビジェイ・シン(フィジー)が優勝している。だが、6年の歳月が流れ、トッププレーヤーの顔ぶれはずいぶん若返っているだけに、まったく違う戦いが見られるはずだ。

 もちろんタイガーが早期に復帰すれば、メジャー初戦から優勝候補として登場するのは言うまでもなく、こちらも気になるところだ。

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