ベネズエラ人初の快挙! J.ヴェガスがプレーオフ制しツアー初V
全米屈指のリゾート地、カリフォルニア州パームスプリングスを舞台として5日間に渡り繰り広げられた大会で、米男子ツアー史上初のベネズエラ人チャンピオンが誕生した。
同ツアーのボブホープ・クラシック(カリフォルニア州、PGAウエスト・パーマーC)は現地時間23日に最終ラウンドの競技を行い、通算27アンダーで並んだジョナサン・ヴェガス(ベネズエラ)、ゲーリー・ウッドランド(米)、ビル・ハース(米)の3人によるプレーオフにもつれ込んだ。最終18番で行われたサドンデス1ホール目でティーショットを右のラフに曲げたハ―スが脱落し、ともに26歳のヴェガスとウッドランドの一騎打ちに。2ホール目は難易度の高い10番パー4。ヴェガスが放ったティーショットはわずかに狙いより左に飛び池に吸い込まれる痛恨のミス。これを見てアイアンで刻む作戦に出たウッドランドがフェアウェイをキープし、優位に立ったかと思われた。
ところが、ウッドランドの2打目がグリーン右サイドの難しいバンカーにつかまり、そこから寄せきれずにまさかのボギー。対するヴェガスは3打目できっちりグリーンをとらえ、入れれば優勝が決まるパーパットをカップのど真ん中から沈め派手なガッツポーズで喜びを爆発させた。ツアーカード取得後2試合目での初優勝に「まさかこんなに早く勝てるとは思ってもいなかった。本当に言葉にならない… ここまで支えてくれた人たちに感謝します。夢が叶いました!」と感無量のヴェガス。ゴルフ後進国であるベネズエラ出身プレーヤーとして、米男子ツアーの競技で初めて優勝を飾ったのだ。
前日の第4ラウンドで上がり5連続バーディをマークした勢いそのままに、首位タイスタートの最終日は出だし1番でいきなり10メートル弱のバーディパットをねじ込む絶好の立ち上がり。6番パー5で2オン成功からイーグル奪取に成功すると、さらに8番でもバーディを追加。バックナインでは優勝を意識したのか何度もグリーンを外したものの、その度に絶妙のアプローチとパットで凌ぎ切ったかに見えた。
しかし、通算28アンダー単独トップで迎えた最終18番パー5でティーショットをバンカーに入れるピンチ。3打目でなんとかグリーンをとらえるも、距離の長いファーストパットがカップを1メートル以上オーバー。返しのパーパットを決めきれず、ボギーフィニッシュでウッドランドとハースに並ばれてしまった。まさに産みの苦しみ。だが最後はプレーオフのクラッチパット(勝負を決めるパット)に勇気を持って挑み、5日間計92ホールにまで及んだ激闘に終止符を打った。
ディフェンディング・チャンピオンのハースは最後までヴェガスを追いつめたが連覇ならず、初優勝を狙ったウッドランドも92ホール目で力尽きた。その他上位陣は、通算26アンダー単独4位にライアン・パーマー(米)、通算24アンダー5位タイにブライアン・ゲイ(米)とケビン・ナ(米)が入った。また、前日『66』の好ラウンドで16位タイに浮上していた今田竜二だが、最終日は我慢のゴルフで1バーディ、1ボギーのイーブンパー72とスコアを伸ばせず、通算17アンダー33位タイで4日間の競技を終えている。