批判を乗り越えて準メジャーに挑むタイガー
外野の声をシャットアウトするためにもタイガー・ウッズ(米)が、待望のメジャー15勝目を前に“準メジャー”に挑む。
米男子ツアーの“準メジャー”大会、ザ・プレーヤーズ選手権が現地時間9日よりフロリダ州にある米ツアーの本拠地TPCソーグラスを舞台に開幕する。優勝候補のひとりでもあるタイガーは現地7日にコース入りしたが、その前日にはニューヨークで行われたファッション関係のイベントに新恋人でアルペンスキーの五輪選手でもあるリンゼイ・ボン(米)と共に出席。フォーマルなスーツ姿でレッドカーペットを歩き、ツーショットを初めて披露した。
だが、マスターズ以来の試合出場となるタイガーを取り巻く状況は決して甘くない。マスターズ2日目、15番パー5でクリークにボールを入れた際の処置についてのトラブルがまだ尾を引いているからだ。ドロップした場所が違っていたことをスコアカード提出後に指摘され失格かと思われたが、マスターズ委員会が下した裁定は2打罰だった。ところが、大会終了からしばらく時間がたった今になって、ルールの総本山であるR&A(ロイヤル・アンド・エイシェント・ゴルフ・クラブ)とUSGA(米国ゴルフ協会)が、マスターズ委員会の裁定が正しくなかったことを表明。大会はすでに成立しているのでタイガーの4位タイという成績は変わらないが、それでもしこりは残る。そんなムードの漂う中でタイガーは大会に臨まなければならない。終わってしまったことは今更どうにもならないが、結果を出し続ければ批判が小さくなるのもまた事実。強烈な逆風の中、タイガーは実力で自らへの批判を封じ込めるつもりでいる。
予選ラウンドでは、ディフェンディング・チャンピオンのマット・クーチャー(米)、今季好調のブラント・スネデカー(米)と共にラウンドすることになった。世界ランキングNo.1の男として準メジャータイトルを取って少しでも論争を鎮めたいところだ。
前週米ツアーのウェルズファーゴ選手権では優勝確実と言われながらこれを逃したフィル・ミケルソン(米)、アジアンツアーのCIMBニアガ・インドネシアン・マスターズで単独2位に入ったアーニー・エルス(南ア)らも参戦。2004年大会覇者で豪州勢初のマスターズ優勝を果たしたアダム・スコット(豪)も出場を予定している。4月のバレロ・テキサス・オープンでは単独2位に入ったものの、今季まだ未勝利のローリー・マキロイ(北アイルランド)はナイキとの契約が間違ったものではなかったと証明するためにも、このあたりで1勝を挙げたいところだ。