エース藍、巻き返し成功! I.パーク63年ぶり快挙に前進
「一番欲しいメジャー」で初日大きく出遅れたエース宮里藍が忍耐強いプレーで巻き返しに成功した。
今季メジャー第3戦、第68回 全米女子オープンは初開催のニューヨーク州のセボナックGCを舞台に現地時間28日、第2ラウンドの競技を行ったが、夕方になってコースに濃霧が立ちこめプレー続行が不可能になったためサスペンデッドとなった。
前夜の嵐の影響で初日とはがらりとコンディションが変わったが、海から吹く風が各選手を翻弄。皆がスコアメイクに苦しむ中、気を吐いたのが経験豊富な藍だった。午後スタートの出だし1番、セカンドショットがグリーン脇の難しいバンカーにつかまったが、そこから絶妙のアプローチで脱出。シビアなパットを沈めてパーをセーブすると、続く2番ではグリーンの傾斜を上手く利用してラッキーなバーディが飛び出した。6番では長いバーディパットを決め、9番でもフックラインを読み切ってバーディと前半で2つスコアを伸ばし初日の81位タイから一気にトップ20を伺う状況に。
後半は11番でスリーパットのボギーを叩いたが、直後の12番パー3でグリーン手前からチップインバーディを決めガッツポーズも飛び出した。その後バーディ1つ、ボギー1つを叩き16ホール終了時点で2アンダーペース。濃霧のため17番のティーショットを打つ前に順延が決まったが、現時点で暫定23位タイと残り2日で十分上位を狙えるポジションを確保した。
しかし初日、日本勢最高位の28位タイにつけた宮里美香(18ホール終了)は苦戦。「前半は我慢したのに、後半は距離感がつかめず、風の計算も出来ず、3パットもあってもったいなかった」と、5つスコアを落とし、通算5オーバー暫定54位タイに後退した。
上田桃子は13ホールを終えて4つスコアを落とし美香と同じく通算5オーバー暫定54位タイ。予選会から勝ち上がって出場権を得た上原彩子(18ホール終了)は通算6オーバー暫定65位タイと予選突破は微妙な状況。スポット参戦の佐伯三貴は14ホールを終え通算6オーバー暫定65位タイ。有村智恵(18ホール終了)はスコアを大きく崩し通算10オーバー暫定102位タイと決勝ラウンド進出は絶望的となった。
上位は1950年にベーブ・ザハリアス(米)が達成して以来となる開幕からのメジャー3連勝を狙うインビー・パーク(韓/18ホール終了)がこの日4つスコアを伸ばして通算9アンダーで期待通り暫定単独トップに浮上。ロレックスランキングNo.1(女子世界ランキング1位)のパークが63年ぶりの快挙にまた一歩近づいた。
2打差の暫定単独2位にキム・インキョン(韓/18ホール終了)が続き、通算4アンダー暫定3位タイにリゼット・サラス(米/18ホール終了)、ジョディ・エワート(英/15ホール終了時点)。またこの日のベストスコア4アンダー68をマークしたアンジェラ・スタンフォード(米/18ホール終了)が通算3アンダーで初日の37位タイからジェシカ・コルダ(米/18ホール終了)と並ぶ暫定5位タイに急浮上している。