ドリームシーズンを終え、メジャー獲りにかけるH.ステンソン
米男子ツアーのフェデックスカップ年間王者と欧州ツアー賞金王のダブルタイトルを同じ年に取った史上初めての男。それがヘンリク・ステンソン(スウェーデン)だ。
2013年シーズンの前半戦は静かにスタートしたが、マスターズ2週前の米ツアーシェル・ヒューストン・オープンで2位タイに入り、土壇場でマスターズ出場権を獲得。大舞台で18位タイに入ったあたりから調子の波をどんどん上げていった。
さらに“準メジャー”のザ・プレーヤーズ選手権で5位タイに入ると、その後はメジャーの舞台で大暴れ。全米オープン21位タイ、全英オープン2位、全米プロゴルフ選手権3位。その間に行われたWGC-ブリヂストン招待でも2位タイに入るなど、夏場はエンジン全開で飛ばし続けた。
だが、圧巻だったのはここからだ。プレーオフシリーズ第2戦のドイツ銀行選手権で優勝すると、30人しかプレーできない最終戦のツアー選手権でも優勝。最後の最後にタイガー・ウッズ(米)を逆転して1,000万ドル(約10億円)のボーナスが得られる年間王者に輝いた。
その後は欧州ツアーに戻って4試合に出場。最終戦 DPワールドツアー選手権 ドバイで6打差圧勝を飾り、賞金王に君臨した。シーズンを最高の形で終えたステンソンは「本当に夢のようなシーズンだった」と語った。
2014年は、今年惜しいところまで行ったメジャータイトルを狙うことになる。最終戦終了後には「来季もこの調子が続くとは限らないけれど、少なくともメジャーには勝ちたい」と口にした。女子と違い、まだメジャータイトルを手にしていないスウェーデン勢にとって、勝てばビッグニュースとなるが、ひとつだけ不安がある。
最終戦の後、すぐに始まった2013-14シーズン開幕戦では連覇がかかっていたにもかかわらず、手首の故障を理由に欠場している。クリスマスシーズンにゆっくりと休養して不安が一掃できていれば、引き続き期待でいっぱいの新シーズンになるはずだ。