石川、4年前の再現なるか!? 予選Rはギネス対決!
石川遼が2010年の再現を狙う。
国内男子ツアーの中日クラウンズは5月1日、愛知県の名古屋ゴルフ倶楽部 和合コースを舞台に開幕。1960年から続く同大会は、日本の民間ゴルフトーナメントでは最も古い歴史を誇っている。難攻不落の難コース 和合と相まって毎年、数々のドラマが生まれているが、その中でも燦然と輝いているのが石川が10年の最終日に記録した世界主要ツアー最少ストローク『58』だ。
あの日、首位と6打差から出た18歳は、序盤からバーディを重ねると、前半をわずか10パットの7アンダー28(9ホールでの大会最少ストローク)でハーフターン。単独首位に立って迎えた後半も勢いはとどまることを知らず、14番のチップインを含む5つのバーディを奪って「58」を現実にしてみせた。しかもあの和合で。この記録は(米、欧、豪、亜、南ア、日の世界6大ツアーで)未だ破られていない。
あれから4年。22歳となった青年は昨年から主戦場を海外に求めた。ルーキーイヤーこそ慣れない環境に苦戦を強いられたが、それも乗り越えて見事に成長。今季は既に来シーズンの出場権を確定させて、2年ぶりに和合に帰ってくる。2週前のRBCヘリテイジ終了後即帰国、そのまま出場した前週のつるやオープンゴルフトーナメントでは初日好スタートを切りながら2日目以降に崩れて26位タイに沈むなど疲労は隠せないが、それでも期待せずにはいられない。
予選ラウンドでは、ライン・ギブソン(豪)、近藤共弘と同組となった。昨年に続く大会出場となったギブソンは、2012年5月にオクラホマ州で行われた米下部団体ツアーで『55』(2イーグル、12バーディ)を叩き出し、石川が作ったギネス記録を塗り替えた選手。「一緒に回るのは楽しみ」と不敵な笑いを浮かべており、相乗効果でさらに上をいく数字を狙っている。
つるやオープンで約1年5か月ぶりの優勝を飾った2012年賞金王の藤田寛之は「和合はコースとの戦いでもあり、それがちょっと楽しみ」とニヤリ。その他、ディフェンディング・チャンピオンの松村道央、シーズン2戦目の東建ホームメイトカップを制して“年またぎ”の国内連勝を果たした宮里優作、選手会長2年目の池田勇太も参戦する。プロ3戦目の大堀裕次郎は、今大会が会長推薦枠での一旦の最終戦だけにトップ10以上の結果が欲しいところだ。
石川は出場しなかったが、大会2日前の29日には歴代優勝者による『チャンピオンズマッチ』が開催。大会最多の5勝を挙げている青木功と尾崎将司の2人をはじめ、安田春雄、陳志明(台)、片山晋呉ら16選手が妙技を競い、ギャラリーを沸かせていた。