J.スピースが21歳離れしたメンタルを発揮、劇的幕切れで史上6人目の快挙
現地時間21日、米男子ツアーの今季メジャー第2戦、全米オープンはワシントン州チャンバーズ・ベイで最終ラウンドの競技を終了。ジョーダン・スピース(米)が通算5アンダーで、史上6人目となる同じ年でのマスターズ・トーナメントと全米オープン優勝を達成した。
最終ホールに、予想もつかないような劇的なドラマが待っていた。スピースは16番で約8メートルのバーディパットを沈めて2ホールを残して3打リード。勝負が決まったかと思われた矢先だったが、17番で悪夢のようなダブルボギーを喫すると、バーディでラウンドを終えたルイス・ウーストハウゼン(南ア)が追いつき、最終組のダスティン・ジョンソン(米)も17番でバーディを決め、通算4アンダーの同スコアに並んだ。
メジャー大会のプレッシャーに飲まれてしまったように見えたスピースだったが、18番の第2打ではグリーン後ろの傾斜を利用してピンから4メートル強につけるスーパーショット。2パットで落ち着いて決め、バーディで立ち直って見せた。対照的にジョンソンは最終ホール、スピースとほぼ同じ距離から決めれば優勝のイーグルパットを外すと、最後は1メートルのパットが無情にもピン横をすり抜けた。
翌日のプレーオフを覚悟していたスピースは「ショッキングだった」とコメント。ジョンソンの最後の一打に同情を示し、歓喜は控えめだったが「自分が勝ったことにはまだ驚いている。(この日で決めるには)十分なスコアだとは思わなかったが、これ以上ないほど嬉しい」と語った。
スピースは1923年以来、最年少での全米オープン制覇。マスターズからのメジャー連勝は2002年のタイガー・ウッズ(米)以来で、最終ホールのバーディによる1打差の勝利は「球聖」ボビー・ジョーンズ以来と、勝負強さも見せつけた。メジャー2勝到達の早さも1922年以来と、さらなる記録の塗り替えにも期待がかかった。