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注目選手振り返り 〜ジェイソン・デイ〜

更新日:2015/12/29 13:29
注目選手振り返り 〜ジェイソン・デイ〜
2015シーズン、最も輝いた選手の一人であるJ.デイ。(写真提供:Getty Images)

 

 2015年、最も輝いたプレーヤーの一人と言えるのがジェイソン・デイ(豪/28歳)だろう。2月の米ツアー、ファーマーズ・インシュランス・オープンで優勝。7月の全英オープンを4位タイとし調子を上げると、翌週のRBCカナディアン・オープンではバッバ・ワトソン(米)を振り切りシーズン2勝目。そして、そこからの快進撃が凄かった。

 まずは1,000個以上のバンカーが点在することで知られるウィストリング・ストレイツ(ウィスコンシン州)が舞台の全米プロゴルフ選手権。第3ラウンドを終えジョーダン・スピース(米)に2打差をつける単独首位で最終日を迎えることに。最終ラウンドも「67」と、ひとり4日間を60台で回って通算20アンダー。念願のメジャー初制覇を成し遂げた。

 エリートフィールドのプレーオフシリーズに入ると初戦「ザ・バークレイズ」と第3戦「BMW選手権」で勝利を重ね、シーズン5勝で世界ランキングも1位に上り詰めた。この終盤のあまりの快進撃に「プレーヤー・オブ・ザ・イヤーは、年間メジャー2勝のスピースではなくデイになるのでは?」という声も挙がるほどだった(結果、スピースがタイトル獲得)。

 プレーヤー・オブ・ザ・イヤー、賞金王、フェデックスカップ王者のタイトルはスピースに譲ったものの、デイにとって大きな飛躍の年となったわけだが、栄光の陰には苦労がつきもの。デイもここまで順風満帆だったわけではない。

 1987年、オーストラリア人の父とフィリピン人の母の間に生まれたデイ。生活は豊かではなく、ゴミ捨て場にあったゴルフクラブ1本で遊ぶことを覚えた。12歳の時に父親が癌で他界してからは、母と姉がデイのゴルフ代捻出のために苦しい家計を支えてくれた。一時、悪い仲間と遊び、道を外したこともあった。そして念願のPGAツアーに出場できるようになってからはメジャー20試合に出場し、トップ10入りが9回もありながら勝てずにいた。さらに「めまい症」の持病で、今年の全米オープンでは倒れる場面もあり周囲をヒヤリとさせたことも。

 困難の中苦労し、人一倍努力をしても誰もが必ず報われるわけではない。そんな中、大きな結果を残したデイ。プライベートではエリー夫人との間に第2子が誕生したばかりでオフも楽しんでいるようだ。だが次シーズンはより、結果を求められることになるだろう。メジャー制覇という殻を破ったデイの行く手には、次に何が待ち受けているのだろうか。

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