スペインの“熱いビッグボーイ” J.ラームを振り返り
2016年の夏にプロ転向をしたジョン・ラーム(スペイン)は今季、欧州ツアーで2勝、PGAツアーで1勝と大活躍。2016年末に136位だった世界ランクも現在は5位まで急浮上し、昨季の欧州ツアー新人王にも輝いた。プレー中もひどく怒ったかと思えば、大喜びして吠えるなど茶目っ気たっぷりの23歳の1年を振り返る。
PGA開幕戦のセーフウェイ・オープンでは15位タイとまずまずのスタートを切ったラームは、翌年1月のファーマーズ・インシュランス・オープンで早くもツアー初優勝を果たす。3日目を終えてトップと3打差9位タイだったラームは、最終日を「65」でプレーし逆転優勝。上がってみれば、後続に3打差をつけていた。
その後も、AT&Tペブルビーチ・プロアマ(5位タイ)、WGC-メキシコ選手権(3位タイ)、WGC-デル・マッチプレー(準優勝)、ディーン&デルーカ招待(2位タイ)と結果を残し、全米オープンに出場した。
しかし、結果は予選落ち。不甲斐なさからか、汚い言葉を発し、バンカーレーキやクラブを投げる、蹴る、ホール案内板を殴るなどプロゴルファーらしからぬ行動をとってしまった。
「プロなら耐えなければならない、自分の中で気持ちを落ち着かせなければいけない。でもそうするとペットボトルのコーラみたいになるんだ。ふたを開けない限り振っていてもいいけど、1回ふたが開いてしまうと、もう終わり。そんな感じだよ」
少し態度を改め7月にフランスへ。すると、HNAオープン・デ・フランスで10位タイ、翌週のドバイデューティーフリー アイリッシュオープンで後続に6打差をつけ欧州ツアー初優勝を挙げた。
アメリカに戻り、フェデックスカップ・プレーオフシリーズでは4試合すべてでトップ10入りと好成績。そして欧州ツアーの最終戦 DPワールド・ツアー選手権ドバイでツアー2勝目を手にしている。
そして、活躍が評価され、欧州ツアーの新人王に選ばれたラームは「この賞をもらえて非常に満足している。過去に受賞した選手全員をチェックしたわけではないが、サム・トーランス(スコットランド)の名前を見た。偉大な多くの選手が新人王を受賞している事を考えると、非常に誇らしい気持ちで、光栄」とコメントを残した。
若き頃のセルヒオ・ガルシア(スペイン)と同じように熱い男、ジョン・ラームに来年も注目したい。
(写真提供:Getty Images)