悲しい涙は似合わない L.トンプソンを振り返り
米国時間11日、全米ゴルフ協会(USGA)と全英ゴルフ協会(R&A)は、テレビ視聴者からの指摘で選手にペナルティを与えるルールは廃止にすると発表。このルールによって結果的に4打罰を科せられ優勝を逃したのがレクシー・トンプソン(米)だった。そんな同選手の今シーズンを振り返る。
開幕戦のピュアシルク・バハマLPGAクラシックで単独2位、3戦目のホンダLPGAタイランドで4位タイと好スタートを切る。そして迎えた3月末のメジャー初戦 ANAインスピレーション。3日目を終えて後続に2打差をつけており、最終日も順調にプレーし、誰もが優勝はトンプソンだと思っていたが、後半12番から13番に向かう途中で競技委員から4打罰を科すと告げられた。
問題となったのは3日目の17番でのプレーで、同選手はパットを打つ前にマークした場所とは別の場所にボールを置き直した(ように見えた)ことにあった。最終日にテレビ視聴者からの指摘で、17番での行為は誤所からのプレー(2打罰)にあたることが発覚。さらに過少申告(2打罰)で計4打のペナルティを受けてしまった。
動揺は隠せなかったが、それでも精神力の強いトンプソンは、最終ホールでバーディを奪うなど首位タイとなりプレーオフへ。惜しくもユ・ソヨン(韓)に敗れてしまったが、真のチャンピオンはトンプソンだという声も多かった。大会終了後には悔し涙を流しながらも、しっかりとインタビューに答え、ファンとハイタッチをしたりとプロらしさを見せてくれた。
5月には来日し、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップに出場。2位タイとしっかり成績を残した。そして翌々週のキングスミル選手権で勝利すると、マニュライフLPGAクラシック(2位タイ)、マイヤーLPGAクラシック(2位タイ)、マラソン・クラシック(単独2位)と好成績を収める。
9月のインディ・ウィメン・イン・テック選手権で優勝した際には、頭からミルクをかぶり勝利を祝った。そして最終戦のCMEグループ・ツアー選手権を2位タイで締め、レギュラーシーズンを終えている。
飛ばし屋として有名だか、ショートゲームスキルも高いトンプソン。トニー・フィナウ(米)と組んで出場したQBEシュートアウト(米国時間8〜10日)でも要所でプロの技を見せてくれた。世界ランキングも4位(12月18日時点)とNo.1になるのも時間の問題だろう。
(写真提供:Getty Images)