TIGER! USA! ウッズVにギャラリー大興奮 最高の日曜日
「ウッズ選手が最終日を首位で迎えると、周りの選手たちが崩れていくというシーンを昔からよく見てるのですが、それもゲームプランのひとつですか?」
これはタイガー・ウッズ(米)の優勝会見の時、ひとりの記者がした質問だ。
米男子ツアーのプレーオフシリーズ最終戦 ツアー選手権(現地時間23日/ジョージア州/イースト・レイクGC)最終日は今までにないくらいの熱気に包まれた。
3日目を終えて通算12アンダー単独首位にウッズ。3打差2位タイにローリー・マキロイ(北アイルランド)、ジャスティン・ローズ(英)がつけ、最終日最終組はウッズ&マキロイとなった。
2人が同組となるのは初めてではないが、マキロイにとってはある面、初めての経験であっただろう。ウッズが優勝する可能性がある場面で同組、もちろんマキロイファンもいるが、ほとんどがウッズに優勝して欲しいという状況。
ウッズはリーダーボードウォッチャーで、自分の位置を把握しながら攻めたり守ったりと、コントロールしながらプレーできる。マキロイは追う立場なので攻め続けなければならなかった。
その結果、2バーディ、4ボギー、1ダブルボギーの4オーバー74とスコアを落とし、通算5アンダー7位タイ。マキロイはホールアウト後、メディアにコメントを残すことなく会場を去った。
スコアを落としたのはローズも同じ。最終組のひとつ前でプレーし、2バーディ、5ボギーの3オーバー73とし、通算6アンダー4位タイ。ウッズを捉えることは無かった。しかし、最終18番パー5でバーディ以上を奪わなければ年間王者に輝けないという状況で、2オンに成功。2パットでバーディを奪いボーナスの1000万ドルを獲得したのはさすがだった。
記者の質問に戻るが、ウッズが周りの選手を崩すゲームプランなどはない。しかし、少なからずマキロイ、ローズや他の追う選手がウッズの存在感、”これはウッズの大会だ”というような会場の雰囲気に飲まれてしまった感はある。
最終ホールでは「TIGER!」「USA!」コールが鳴り、フェアウェイからグリーン周りは大勢のギャラリーで埋め尽くされ大盛り上がり。マキロイ、ローズもそうだが、やはりゴルフ界にはウッズが必要だということを再度認識させられた。現地ファンにとっては最高の日曜日、日本のファンにとっては最高の月曜日となったに違いない。
(写真提供:Getty Images)