マキロイ、来年の欧州ツアーカードを手放す? うまれるライダーカップ問題
ローリー・マキロイ(北アイルランド)が『BBCスポーツ』のインタビューで、2019年は欧州ツアーのツアーカードを手放すかもしれないと答えた。維持するためには年間最低4試合(メジャーと世界選手権シリーズを除く)の出場義務があるのだが、今のところマキロイは「2試合には出場する予定だけど、分からない」としている。
大きな理由としては米男子ツアーの日程変更がある。3月ザ・プレーヤーズ選手権、4月マスターズ、5月全米プロゴルフ選手権、6月全米オープン、7月全英オープン、8月プレーオフシリーズと大きなイベントがずっと続く。
9月からは欧州ツアーでロレックスシリーズ5試合が開催されるので、マキロイはそこでプレーするか、全英オープン前のアイリッシュオープン、スコティッシュオープンで調整がてら出場するのが今のプランだそうだが、計4試合以上に出場するかは未定。
マキロイのように米男子ツアーで活躍しているヨーロッパの選手が、ツアーカードをキープする大きなメリットは、ライダーカップに出場できるかどうか。ツアーカードがないとライダーカップには出場できない。次回は2020年なのでマキロイはその年にツアーカードを得ていればいい。しかし、それは選手として出場する場合の話だ。
将来的にキャプテンや副キャプテンを務めたいのであれば、ツアーカードを失ってはいけない。2017年1月に発表されたルールで、1度でもツアーカードを失うとキャプテンや副キャプテンには就けないのだ。このルールができたのは欧州ツアーから米男子ツアーへの選手の流出を防ぐためと言われている。
米男子ツアーの試合は基本的に優勝賞金が1億円を超えるのに対し、欧州ツアーでは2000万円から5000万円という試合がある。そこで2017年からロレックシリーズが始まり、対象の8試合の優勝賞金は約1億円となった。しかし、ギャップはなかなか埋まらない。
年間王者へのボーナスの差が約10倍以上あるのだ。欧州ツアーの年間王者は125万ドル、米男子ツアーの年間王者は1000万ドル。しかも、2018-19年シーズンから1500万ドルとなるので約15倍の差がうまれる。
かといってレベル的には欧州ツアーも米男子ツアーもそこまで大差はない。となれば米男子ツアーを主戦場にと考えるヨーロッパの選手もいるだろう。果たしてマキロイはどのようなスケジュールを組むのだろうか。
なお、マキロイは今週の欧州ツアー最終戦 DPワールド ツアーチャンピオンシップ ドバイに出場する。
(写真提供:Getty Images)