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鍵を握るキャプテンピック 仕事をした人、できなかった人、キャリアを変えた人

更新日:2019/10/03 12:35
鍵を握るキャプテンピック 仕事をした人、できなかった人、キャリアを変えた人
2009年にはキャプテンピックで石川遼が出場した。(写真:Getty Images)

 

 タイガー・ウッズ(米)、アーニー・エルス(南ア)は頭を悩ませているだろう。

 12月12日から15日にかけてロイヤルメルボルンで開催されるプレジデンツカップで誰を主将の名のもとにピックするか。今回はトーナメント史上初めてキャプテンが4人のピックアップする権利を持つため、これまで以上にピックの重要性は高まってくる。

 経験か、有望株か、コースのスペシャリストを選ぶのか。ピックアップがうまくいったこともあればその逆もしかり。PGAツアーはプレジデンツカップで「仕事を果たした人」「できなかった人」「その後のキャリアを変えた人」と題し、過去大会を振り返った。

「仕事を果たした人」として名前を挙げられたのは、デビッド・デュバル(米国選抜、1996年)、フランク・ノビロ&グレッグ・ターナー(世界選抜、1998年)、ジャスティン・レナード(米国選抜、2005年)、マイク・ウィアー(世界選抜、2007年)、フィル・ミケルソン(米国選抜、2015、17年)。1996年のデュバルはまだツアー未勝利だった中でアーノルド・パーマーから指名を受けると、その期待に応えるかのように出場した4戦すべてで勝利しチームのポイントゲッターに。2015、17年にピックを受けたミケルソンはベテランらしい安定したプレーで、両大会ともに3.5ポイント(3勝1分)を獲得した。

 逆に「仕事を果たせなかった人」という不名誉な称号を与えられたのは、ジョン・ヒューストン(1998年、米国選抜)、ニック・オハーン(世界選抜、2007年)、ルーカス・グローバー(米国選抜、2009年)、ロバート・アレンビー(世界選抜、2011年)、エミリアーノ・グリーヨ(世界選抜、2017年)。うち3選手は0ポイントで大会を終えている。

 またここでの経験でのちの「キャリアを変えた」のはアダム・スコット(世界選抜、2009年)、ジョーダン・スピース(米国選抜、2013年)、ベ・サンムン(世界選抜、2015年)、ビル・ハース(米国選抜、2015年)だ。2009年に不振のスコットをグレッグ・ノーマンが選んだことには多くの人が眉をひそめただろう。実際に大会では1ポイントしか獲得できなかったが、ここでの経験で自分の能力をもう一度信じることができたスコットは12月のオーストラリアン・オープンで優勝、最終的に2013年のマスターズで優勝し、翌年世界ランキング1位に上り詰めることになる。同じくのちに世界ランク1位となるスピースはフレッド・カプルスのピックアップがなくてもスターになっていたかもしれないが、当時20歳の新星はウッズやミケルソンとのプレーで得るものがたくさんあったという。

 様々なドラマを生むキャプテンピック。今年は誰が滑り込みを果たすのだろうか。


【キャプテンピックの歴史】※カッコ内は獲得ポイント

■1994年
世界選抜
フルトン・アレム(南ア、1.5ポイント)
渡辺司(日本、1ポイント)

米国選抜
ジェイ・ハース(3ポイント)
フィル・ミケルソン(3ポイント)

■1996年
世界選抜
ロバート・アレンビー(豪、2ポイント)
ピーター・シニア(豪、1ポイント)

米国選抜
デビット・デュバル(4ポイント)
ケニー・ペリー(2ポイント)

■1998年
世界選抜
フランク・ノビロ(ニュージーランド、2ポイント)
グレッグ・ターナー(ニュージーランド、2.5ポイント)

米国選抜
フレッド・カプルス(2.5ポイント)
ジョン・ヒューストン(0ポイント)

■2000年
世界選抜
ロバート・アレンビー(豪、1ポイント)
スティーブ・エルキントン(豪、2ポイント)

米国選抜
ポール・エイジンガー(1ポイント)
ローレン・ロバーツ(2ポイント)

■2003年
世界選抜
K・J・チョイ(韓、2ポイント)
ティム・クラーク(南ア、2ポイント)

米国選抜
フレッド・ファンク(1.5ポイント)
ジェイ・ハース(2.5ポイント)

■2005年
世界選抜
トレバー・イメルマン(南ア、1ポイント)
ピーター・ロナード(豪、2ポイント)

米国選抜
フレッド・カプルス(1.5ポイント)
ジャスティン・レナード(3.5ポイント)

■2007年
世界選抜
ニック・オハーン(豪、1ポイント)
マイク・ウィアー(カナダ、3.5ポイント)

米国選抜
ルーカス・グローバー(2ポイント)
ハンター・メイハン(2ポイント)

■2009年
石川遼(日本、3ポイント)
アダム・スコット(豪、1ポイント)

米国選抜
ルーカス・グローバー(0.5ポイント)
ハンター・メイハン(2.5ポイント)

■2011年
世界選抜
ロバート・アレンビー(豪、0ポイント)
アーロン・バデリー(豪、1.5ポイント)

米国選抜
ビル・ハース(1.5ポイント)
タイガー・ウッズ(2ポイント)

■2013年
世界選抜
マーク・リーシュマン(豪、2ポイント)
ブレンドン・デ・ヨング(ジンバブエ、2ポイント)

米国選抜
ウェブ・シンプソン(3ポイント)
ジョーダン・スピース(2ポイント)

■2015年
世界選抜
ベ・サンムン(韓、2.5ポイント)
スティーブ・ボウディッチ(豪、1ポイント)

米国選抜
ビル・ハース(1.5ポイント)
フィル・ミケルソン(3.5ポイント)

■2017年
世界選抜
エミリアーノ・グリーヨ(アルゼンチン、0ポイント)
アニルバン・ラヒリ(インド、1.5ポイント)

米国選抜
チャーリー・ホフマン(1ポイント)
フィル・ミケルソン(3.5ポイント)

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