マスターズで完全復活、日本で偉業達成 タイガー・ウッズを振り返り
タイガー・ウッズ(米)にとって2019年は完全復活の年だった。
2018年のツアー選手権で5年ぶりの優勝を挙げ復活。しかし、ウッズの場合はメジャーを獲ってこそ完全復活。ファンの誰もがそれを望んでいた。
1月のファーマーズ・インシュランス・オープン(20位タイ)、2月のジェネシス・オープン(15位タイ)とWGC-メキシコ選手権(10位タイ)、3月のザ・プレーヤーズ選手権(30位タイ)、WGC-デル・テクノロジーズ・マッチプレー(ベスト8)という成績を残しマスターズを迎え、見事11年ぶりのメジャー優勝を果たした。
「こうしてまた第一線で優勝できるとは思っていなかったから嬉しい。一番難しかった優勝だと思う。マスターズで勝てたのは自分にとって最高」と、メジャー通算15勝(マスターズ5勝)を挙げ、ジャック・ニクラウス(米)の持つ最多メジャー優勝まで3勝に迫った。
10月には日米共催のZOZO チャンピオンシップに出場するため4年ぶりの来日。ただ、それだけで終わらないのがウッズ。同大会を制して故サム・スニード氏の持つツアー史上最多タイの82勝を日本・千葉(アコーディア・ゴルフ習志野CC)で手にしたのだった。
日本初開催のPGAツアー大会、そしてウッズ、松山英樹、ローリー・マキロイ(北アイルランド)、ジェイソン・デイ(豪)、シェーン・ロウリー(アイルランド)、ゲーリー・ウッドランド(米)ら強豪がプレーするということで大勢のギャラリーが駆けつけた。
今大会は悪天候に見舞われ金曜日のラウンドが中止、土曜日のラウンドは無観客、そして月曜日決着と変則的に行われたが、ウッズが優勝、松山が単独2位と記憶に残る一週間となった。
優勝スピーチでは「ここ数日は雨の影響で大変なことになり、被害に遭われた方もいるが、こうしてこのイベントを迎えられた。心から感謝している。プロ初優勝から20年以上が経ち、グレート・サム・スニードに並ぶなど想像していなかった。いつもと変わらない温かい声援が力になった。来年また戻って来たい」と話し、ファンを沸かせた。
また、2019年の締めとしてザ・プレジデンツカップにプレーヤー兼キャプテンとして出場。ジャスティン・トーマス(米)と組みポイントを稼ぐなど世界選抜に勝利。一人二役で大いに貢献した。
2020年にスニードの記録を抜く確率は高いが、気になるのはメジャーと東京五輪。さすがにメジャー年間3勝は厳しいが、4〜5年のうちに帝王に並んでくれそうな気はする。
東京五輪に関しては現在アメリカ勢4番手とこのままいけば代表入りだがギリギリまで分からないだろう。
舞台である霞ヶ関カンツリー倶楽部で(金)メダル獲得、千葉で大会連覇をすれば新たな歴史となる。そんなレジェンド、タイガー・ウッズに引き続き注目だ。