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「名を売って生計を立てた時代」ニクラウスとミラーが語るオークモント/全米オープン

更新日:2025/06/16 12:13
「名を売って生計を立てた時代」ニクラウスとミラーが語るオークモント/全米オープン
ジャック・ニクラウス(写真:Getty Images)

 

 14日、全米オープンが開催されているオークモントCC(ペンシルベニア州)に、ジャック・ニクラウスとジョニー・ミラーが姿を見せた。2人は、それぞれ1962年と1973年にこのコースで全米オープンを制している。

 22歳の若さで初のメジャー制覇を果たした帝王は、「アーノルド・パーマーに勝つことだけを考えていた。当時、私はオークモントのことを何も知らなかった。大会の10日前に来て何度かプレーしただけ。正確なティーショット、そしてパットが何より重要だった。大会中、90ホール(18ホールのプレーオフでパーマーを下した)で1度だけ3パットをしたが、それがいまだに悔しい」と当時を振り返った。

 一方、1973年の最終日にオークモントでの最小スコア「63」を叩き出して逆転優勝を果たしたミラーは、「前日の『76』がかなりショックで落ち込んでいた」というが、「最終日は1番から4番まで連続してバーディを奪って、4ホール終えて4アンダー。『これはいけるかも』と思った。私はパットが弱点だったが『今日の調子なら優勝も狙える』と思ったのが4番を終えた頃だった」と明かした。

 どのような要素が優勝争いで重要になるかという問いに対し、ニクラウスは「忍耐力。良いゴルフをすることは当然だが、焦らずにプレーすることが重要。リーダーボードを常に確認して、自分の立ち位置と相手の状況を把握する。それが勝つための戦略だ」と強調した。

 一方のミラーは「フェアウェイにボールを置くこと。ラフに入れたら、そこから無理をしてミスが連鎖する。今も昔もフェアウェイキープが全て。あとはプレッシャーへの対応。多くの選手は、全米オープンの優勝が現実的な目標に感じられない。その壁を越えられるかが勝負」と語り、冷静さと精度の重要性を説いた。

 また、当時と今の賞金額の違いにも言及。1962年にニクラスが得た優勝賞金は13,000ドル。ミラーの時代でも賞金は2~3万ドルが主流だった。「もちろん今の金額を羨ましく思うことはあるが、当時の環境で自分たちが道を切り開いたことに誇りを持っている」とニクラウスは語った。

 ミラーも「今は額が大きすぎて、逆にモチベーションが下がることもあるかもしれない。昔は家族を養うためにプレーしていた」とプレッシャーの質の違いを指摘した。

 そしてニクラウスは最後に「我々は『勝って名を売り、生計を立てる』時代だった。今は『ゴルフで生活する』時代だ」と締めくくった。

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