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悲劇のD.ジョンソン「バンカーだとは思わなかった」

更新日:2010/08/16 10:25
悲劇のD.ジョンソン「バンカーだとは思わなかった」

 

 6月の全米オープンで最終日に『82』を叩き、3打差を引っくり返されメジャー優勝を逃したダスティン・ジョンソン(米)が、再び悲劇に見舞われた。

 米男子ツアーの今季メジャー最終戦、全米プロゴルフ選手権、奇才ピート・ダイ設計のウィスコンシン州、ウィストリング・ストレイツを舞台に現地時間15日に行われた最終ラウンド。最後の最後にドラマが待っていた。

 ウィストリング・ストレイツはコースにちりばめられた約1,200個ものバンカーが特徴だが、最終18番、首位を走っていたジョンソンの悲劇の現場となったのもホール右サイドのバンカーだった。

 17番パー3でバーディを奪い、通算12アンダーまでスコアを伸ばし、先にホールアウトしていたブッバ・ワトソン(米)らに1打差をつけ頭ひとつ抜け出したジョンソン。最終18番をパーで締めくくれば念願のメジャー勝利が現実のものとなる。プレッシャーがかかる中、放ったティーショットは本人が意図しない右方向に曲がり、ギャラリーの中へ。ギャラリーに踏み荒らされ、わずかな砂地に思えるそこがバンカーだったのだ。

 ピンまでは200ヤード以上。そこでジョンソンは痛恨のミスを犯す。ルール上、ハザード内でクラブをソール(地面にクラブを接地させること)することは出来ないが、ジョンソンは素振りをする際、クラブを接地させていたため2打罰が課されることに。本人は全くそのことに気付かずプレーを続け、左のラフにつかまったが、そこから絶妙なアプローチでピンそばに寄せることに成功。ファーストパットは右に外れ、通算11アンダーに並んだ3人でのプレーオフにもつれ込むかに思われた。ところが競技委員から違反があったことを告げられ、結局ジョンソンは(2打罰で)通算9アンダー5位タイで競技を終えることとなった。

「バンカーだと思わなかった。バンカーだったらけっしてクラブをソールしたりはしない。無意識にそうしてしまった。この気持ちをどう言葉に表せば良いのかわからない。でももしパーパット(と思い込んでいたファーストパット)が入っていたら、もっと酷いことになっていただろう」と、天国から地獄に突き落とされたジョンソン。

 もし最終ホールのファーストパットが入っていればメジャー勝利を確信し派手なガッツポーズで喜びを表現していたはず。そのあとでペナルティを宣告されるよりはましとはいえ、プレーオフに進むことを信じて疑っていなかった本人にとっては、まさに青天の霹靂。全米オープン最終日に地獄を見た男は、2か月後のメジャーで再び悲劇のヒーローとなってしまった。

「この結果は残念だけれど、17番で素晴らしいショットと素晴らしいパットを繋げてトーナメントをリードした。18番を除けば、自分のプレーに満足している。残念だけれど仕方ない」(ジョンソン)。

 この屈辱は来年のメジャーで晴らすしかない。

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