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ウッズ「またエリートレベルで戦える」 マスターズ優勝会見

更新日:2019/04/15 11:35
ウッズ「またエリートレベルで戦える」 マスターズ優勝会見
5度目のマスターズ制覇を成し遂げたウッズ

 

 海外男子メジャー初戦のマスターズは現地時間14日、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGC(7,475ヤード、パー72)で最終ラウンドが終了し、タイガー・ウッズ(米)が優勝を果たした。

 11年ぶりのメジャー通算15勝目を挙げたレジェンドが優勝会見に臨んだ。

―タイガー、ウェルカムバック。いや、正確に言おう、ウェルカムホーム!

 正直に言うとただただ信じられない。1995年に初めてアマチュアとしてここ(オーガスタ)に来て、1997年に優勝した。22年後にまた勝つことが出来た。

 本当に今日のバックナインでは色々なシナリオが考えられた。勝つチャンスは多くの選手にあった。大混戦で皆がいいプレーをしていた。これ以上のドラマはない。大変だった。

 戻って来てまたプレーすることは僕にとって、家族にとって、大会にとって大切なことだった。一生忘れることはない。

―ホールアウトしてお母さんと子供たちが見えたと思うが、お父さんのことを思いだすか

 もちろんさ。父は心臓の病気を抱えていたから、1997年大会に来るべきではなかったけど見に来た。水曜日の夜にパッティングのレッスンをしてくれた。父はもういないけど母がいる。22年後も見に来てくれて勝つことが出来た。

 サム(娘)とチャーリー(息子)もいる。子供たちは(去年の)全英オープンの時もいた。バックナインでリードしていたけどミスをしてしまい勝てなかった。同じことはしたくなかった。父がメジャーで優勝するところを見せたかった。忘れないでいてくれれば嬉しい。

―復活できると思っていたか

 ここ数年は本当に復活できないと思っていた。歩けない、座れない、横になれない、何もできなかった。でもラッキーなことに腰が良くなり、普通の生活に戻れるというチャンスを手にした。

 そこで急にスイングができると思えてきたんだ。いくつかのピースを埋めていけばいけるかもって。体は昔とは違うけど、それでもまだまだ頑張れると思った。そして、それが本当に上手くいった。メジャー14勝はリードしての優勝だった、首位タイもあるけど。今回は違ったから、この優勝は一番大きな優勝かなと思う。

―とても落ち着いていたが、ガムを噛んでいたことと関係あるか(笑)

 お腹が空きやすいからガムを噛んでいる。お腹を満たしてくれる。トーナメントがあると体重が落ちてしまうけど、ちゃんとそれは理解しているから大丈夫。

―冷静さはいつも以上だったか

 準備万端という感じでこのイベントに臨んだからね。半年前からここにピークを持ってくるように準備していた。それで実際に調整が出来た。ミスしてもいいところにミスしていたし、今週はダブルボギーを叩かなかった。

―子供たちは成長し、父の仕事を理解してきたか

 そう思うよ。ゴルフが僕にとってどれだけ大切かを理解していると思う。ずっとスイングをして「痛い」と言っている僕しか知らなかったと思うけど、治ってからは子供たちに覚えてもらえるようなプレーができている。

―ジャック・ニクラウスが勝った1986年大会がよくグレートな試合だと言われるが、今回の優勝もそれくらいだと思うか

 どうだろう、でも1986年大会は一番印象に残っている。4番アイアンで15番のグリーンを捉えて、「そんなショットをするの」って思った。

 当時ジャックは46歳、いま僕は43歳と少し年齢差があるね。彼は6年くらいメジャーで勝てていなかった。僕は11年。グレートな大会かどうかは周りが決めることで僕が決めることではないと思う。

―ニクラウスはメジャー通算18勝の記録を抜かれると心配していると思うか

 それは分からないよ。でも、家でリラックスしながら見てくれていると思う。

―自身がゴルフ界に与えている影響について

 若い世代に影響を与えているかもしれない。みんなトレーニングをしている。彼らは大きい、強い、速い、そしてアスリートだ。回復も早いし、ボールもよく飛ばす。もしかしたら僕がやっていたからかもしれない。

 プロになった時、ジムにいたのは僕くらい。あとはビジェイ(・シン)かな。ずっと彼と僕だけだったんだけど、今は皆がトレーニングをしている。あのフィル(・ミケルソン)でさえトレーニングをしているよ(笑)。

―いま体に異変は

 特にはないけど、これだけは約束する。明日はボールを打たない(笑)。

―開幕前でも今週でもいいが、これはいいショットだなと感じていたショットはあったか

(WGC-デル・テクノロジーズ・)マッチプレーでティーグランドから良い感じのドローが打てていた。今週はいくつかバーディを逃したが、皆もそうだろう? ミスしても平気なところに置くことができたからオーケー。

―開幕前に「勝つ必要はないけど、グリーンジャケットが欲しい」と言っていた。また、去年のツアー選手権で優勝して「また勝てると思う」と言っていた。今回の優勝でどう思ったか

「もうメジャー大会で勝てるんだ」と思えた(笑)。イーストレイク(ツアー選手権の会場)で勝ったのは自信になった。タンパ(バルスパー選手権)、全英オープン、全米プロでも勝てなかったけど今回は勝てた。

 イーストレイクはビッグステップだった。「また勝てる」と思わせてくれた。強い選手が30人いて、ローリー・(マキロイ)や(ジャスティン・)ローズとかと戦ったんだからね。

―18番のパーパットを外した後、グリーン脇でフランセスコ・モリナリとトニー・フィナウのパットが終わるのを待っていたが、何を思っていたか

「新しいグリーン、曲がってくれよ」って思っていた(笑)。それはおいておいて、「まだ終わっていない」、50センチくらいだったけど、「決めないといけない」と思っていた。決まった後は、もう神のみぞ知るみたいな感じだね。

―多くの人に大きな影響を与えている。カムバックできたことで何かメッセージはあるか

 幸運なことにもう一度自分が好きなことをやるチャンスをもらえた。それ以上に子供たちと一緒に過ごせるようになったことが大きい。今まで出来なかったから。

 子供たちは僕よりもアクティブ。僕は競うことが好きだから、子供たちに負けないようにトライしている。そして今はゴルフができるようになった。またエリートレベルで戦えるようになった。とても嬉しいことだよ。

―いろいろと乗り越えてきたと思うが、いま困難に立ち向かっている人たちに伝えたいことはあるか

 決して諦めないこと。いつも戦うこと。競う合う気持ちが僕をここまでにしてくれたから。

―ホールアウトして子供たちは何を言っていたか

 分からない。僕は叫んでいたし、聞こえなかった。でも、誇りに思ってくれていたら嬉しい。2人の子供を持てて嬉しいし、ここに連れてこれたことが嬉しい。オーガスタは初めてだから、スロープとか全て説明したんだ。とても特別なイベントなんだよとも伝えた。

―いつもより大きな笑顔だった気がする

 すごくいい気分で臨めたからかもね。ボールをうまくコントロールできたし、ショートゲームも良かった。ミスはいくつかあったけど、トータルで良かった。

―スケジュール変更はあるか

 去年のように多くの試合には出場しない。去年はWGC大会やプレーオフシリーズに出場したかったからたくさんの試合に出場していたけれど、今年は少なめだよ。

(写真:Getty Images)

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