“地元”で勝ったシェーン・ロウリー「今夜ホームに帰るけれど、今もホームにいる」
アイルランド出身のシェーン・ロウリーが全英オープン(北アイルランド/ロイヤル・ポートラッシュGC)を制したが、去年のカーヌスティGL(スコットランド)では予選落ちをし、涙を流した。
「ゴルフは不思議なスポーツ。何が起きるか分からない。去年のカーヌスティでは泣いていた。当時、ゴルフは友達じゃなかった。ただただストレスがかかるものだった。1年でこんなに変わるんだね」
開幕前、注目されていたのはローリー・マキロイ(北アイルランド)。地元ギャラリーの誰もがマキロイに優勝して欲しいと思っていたが、予選ラウンドで姿を消すというまさかの結果に。そこからはもう「ロウリー! ロウリー!」の嵐だった。
ロウリーは2016年の全米オープン最終日、4打差リードの首位から出たが崩れてしまい、ダスティン・ジョンソン(米)に逆転されるという苦い経験があった。状況としては今回と全く同じ。「昨夜は4〜5時間。いつもは10時間くらい寝るんだけど」とやはり緊張していた。
しかし、1番ホールでそんな気持ちは吹っ切れた。「ティーショットをミスしてしまい、トミー(・フリートウッド)は絶好のバーディチャンスにつけていて、自分は3mのボギーパット」と一気にスコアが縮まる状況だったが「トミーは外して、自分は決めることができた。そこで落ち着けたんだ」。
それからはロウリーのペース。プレッシャーを感じていたのはフリートウッドに見えた。イングランド出身で欧州プレーヤーということではホームなのだが、ロウリーと比べれば圧倒的にアウェーだった。
最終18番では大勢のギャラリーがコース内に入ってきた。去年の米男子ツアー「ツアー選手権」でタイガー・ウッズ(米)が復活優勝をした時のようだった。
アイルランドと北アイルランドには複雑な事情があるが、ロウリーはこう表現した。「僕は今夜ホームに帰るけれど、今もホームにいる。意味が分かるかな? 本当に“地元”で勝てて良かった」。