欧州ツアーは来季からスロープレーの新ルール導入 モリナリ兄の投稿がキッカケ?
19日、欧州ツアーはスロープレーを改善するため、4つの新しいポリシーを掲げ来季から適用すると発表したが、この裏にはエドアルド・モリナリ(伊)の行動が影響しているらしい。アイルランド放送協会(RTE)が報じた。
全英オープン覇者であるフランセスコ・モリナリ(伊)を弟に持つエドアルドが何をしたか?
今年4月に開催されたハッサンII世トロフィの第3ラウンドが5時間30分もかかり、エドアルドは「スロープレーに対して真剣に考えなければならない時が来た」と自身のツイッターに投稿。
そして、欧州ツアーメンバー以外には非公開とされている「タイミングサマリー」を公開。タイミングサマリーには計測された選手、ペナルティを受けた選手、罰金を払った選手が事細かに記載されていた。
非公開リストを公にしたのだが、欧州ツアーの最高経営責任者であるキース・ペリー氏は「彼が問題に対して立ち向かったのは正解だったし、5月の会議では議題にあがった。スロープレーに対してもっと厳しくする必要があるという結論になった」。
そして、先日のプレーオフシリーズ初戦「ザ・ノーザン・トラスト」2日目にブライソン・デシャンボー(米)が1パットに2分以上、70ヤードのアプローチショットに3分以上をかけ大きな問題になったことが、新しい方針ができた決定的な一打となった。
欧州ツアーでは来季から、スロープレーの1打罰を受けるまでのプロセスを短縮、選手たちはルールに関するオンライン試験に合格しなければならない、シーズンで15回計測されたら罰金は2万6000ポンド(約340万円)などが適用される。
もともと欧州ツアーはスロープレーを改善しようと2018年からショット・クロック・マスターズを開催。同大会は基本的に40秒以内に打たなければ1打罰となる。競技委員が各選手を計測、また、大きな計測器がコースに設置されているためギャラリーがカウントダウンをする場面もあった。
一方、米男子ツアーでは欧州ツアーと比較するとあまり対策がとられていないように感じる。最近はプレーの早いブルックス・ケプカ(米)やローリー・マキロイ(北アイルランド)が声を上げているがビッグプレーヤーになるとプレーが遅くても、どこか許される雰囲気がある。
確かに「どれだけ時間をかけてもいい」シーンはたくさんあるが、明確にルールを定め、ペナルティを与えなければ不平等になりスロープレーの改善とはならない。来季の欧州ツアーがどう変わり、米男子ツアーに影響するのか、注目したい。