47歳Vから前代未聞の事件まで フィル・ミケルソンを振り返り
3週間前、タイガー・ウッズ(米)と900万ドルを賭けてマッチプレーをし、見事勝利したフィル・ミケルソン(米)。メキシコで米男子ツアー通算43勝目を挙げ、全米オープンでは前代未聞の”動いている球を打つ”という事件を起こした。現在48歳の大ベテランを振り返る。
開幕戦のセーフウェイ・オープンから3位タイと好スタートを切ると、2週後のWGC-HSBC選手権は15位タイに入った。2月のフェニックス・オープンから3試合連続でトップ6入りを果たすと、3月のWGCメキシコ選手権で優勝。プレーオフでジャスティン・トーマス(米)を下し、当時47歳で米男子ツアー通算43勝目を手にした。
メジャー初戦のマスターズは36位タイ、ザ・プレーヤーズ選手権は予選落ち、そして迎えた全米オープン3日目に前代未聞の”事件”を起こす。
最も難しいコースのひとつ、ニューヨーク州のシネコックヒルズGCが舞台だった。多くの選手が苦しみ、ミケルソンもその一人。通算6オーバー35位タイで3日目を迎えたミケルソンは後半12番までにスコアを4つ落としていた。
そして迎えた13番パー4で事は起こった。約3メートルの下りのボギーパットはカップ右をすり抜け、下り傾斜に落ちそうになっていた。ミケルソンは小走りでボールを追いかけ、まだ動いているボールを打ち返してしまったのだ。動いている球をプレーした場合、2打罰が科せられるため、このホールを「10」とした。
「下まで行って返しのパッティングをする気分ではなかった。2ペナの方がいいと思った。ルールは理解している。そうしたいと思ったホールはいくつかあって、そうしたんだ」とラウンド後にコメントしたが、後日「自分がしたことは恥ずかしいし、失望している。明らかに良い瞬間ではなかった。申し訳ない」と謝罪した。
その後、全英オープンは24位タイ、全米プロゴルフ選手権は予選落ち、プレーオフ最終戦のツアー選手権に進むも最下位。ライダーカップ米国選抜メンバー入りを果たすが敗北とシーズン終盤は結果を残せなかったが、最後の最後に大金を手にした。
全米で話題となった900万ドルを賭けてタイガー・ウッズ(米)とマッチプレーをする「ザ・マッチ」で見事勝利。プレーオフ4ホール目でバーディパットを決め「勝てた事をこれから少し自慢できる」と優勝インタビューで語った。いろいろあったが、2019年は全米オープンで優勝してキャリアグランドスラムを達成して欲しい。
(写真提供:Getty Images)