平田憲聖、米ツアーへの挑戦と進化 ミズノ養老工場で調整を実施
今季から米下部のコーン・フェリーツアーに挑戦している平田憲聖が、海外遠征の合間に一時帰国。岐阜県にあるミズノテクニクス養老工場を訪れ、自身のクラブを細かく調整。海外での経験を積む中で感じた課題や成長、そして今後の目標について語った。
■海外ツアーで得た手応えと課題
年明けにPGAツアーのソニー・オープン・イン・ハワイで21位タイ、続くコーン・フェリーツアー初戦では2位と、海外でも十分に戦える力を示した平田。自身のプレーについて、「環境の違いに苦労する場面もありましたが、昨年よりは順応できています」と振り返る。
特に印象的だったのは、海外の選手たちのショートゲームの精度の高さだ。「飛距離だけではなく、アプローチやパターのレベルが非常に高い」と実感。日本とは異なる芝のコンディションにも対応しながら、さらに上を目指している。
■ミズノ養老工場でのクラブ調整
今回の訪問では、特にアイアンとウェッジの調整に重点を置いた。ソニー・オープンで使用した54度の「T-1」ウェッジの微調整に加え、ロフト角やライ角を細かくチェック。3月に一般発売される予定の新作「S-3」アイアンについても、「打感がよく、抜けもいいので早く実戦で使えるよう調整を進めていきたい」と期待を寄せる。
■「養老工場は僕にとって特別な場所」~10年以上の信頼関係~
中学時代に初めて訪れたという養老工場について、「ここは僕にとって特別な場所」と語る平田。「昔は憧れの地でしたが、今こうしてプロとして戻ってこられたことが嬉しい。ここに来ると、原点に立ち返る気持ちになります。」と感慨深げだった。
ミズノのクラブを10年以上愛用し、クラフトマンたちとのやり取りを大切にしている平田にとって、この訪問は単なる調整以上の意味があった。平田のクラブを担当している野村クラフトマンは、彼の成長をこう語る。
「クラブへの要求は今まで担当した選手の中でも最も高い。優勝して周りの環境や見るものが変わってきたことで、より詳細に伝えてくる。クラフトマン泣かせではあるが、要望に応えられるようこれからも向き合っていきたい」
■目標はPGAツアー昇格、そして日本ツアーでの勝利
今後は再び南米へ渡り、アルゼンチンとチリでの2試合に臨む。その後、米本土へと舞台を移しながら、PGAツアー昇格を目指していく。
「食事や環境にも徐々に適応できています。今年はコーン・フェリーツアーでしっかり結果を残し、来年はPGAツアーのメンバーとして戦いたい。そして、日本ツアーでも勝ちたいと思っています」と力強く語った。
異国の地での挑戦はまだ始まったばかり。さらなる進化を遂げる平田憲聖の今後に注目だ。