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「何度も自信を失いかけた」スタークがスウェーデン勢3人目の全米制覇

更新日:2025/06/02 15:57
「何度も自信を失いかけた」スタークがスウェーデン勢3人目の全米制覇
メジャー初優勝を果たしたスターク(写真:Getty Images)

 

 1日、ウィスコンシン州のエリン・ヒルズGCを舞台にした全米女子オープン最終日。歴史を揺るがす瞬間が、静かに、そして劇的に訪れた。

 スウェーデンのマヤ・スターク。難コースで3バーディ、3ボギーのイーブンパー「72」。その一打一打には並々ならぬ重みが宿っていた。通算7アンダーでメジャー初優勝を果たし、約2年半ぶりとなるツアー通算2勝目をその手に掴んだ。

「誰かがきっと猛追してくる。きっと追い抜かれる」。そんな不安に胸を締めつけられながら、スタークはリーダーボードを17番まで見ることすらできなかったという。彼女が初めてポジションを知ったのは、運命の18番ホール。視線を上げた瞬間、そこには3打差のリードという現実があった。

 だがその安堵が、思わぬ混乱を招く。ティーショットはラフへと吸い込まれ、「少しパニックになった」と振り返る。だが、しっかりとボギーに抑え、ついにその瞬間を迎えた。両手を天に突き上げたスタークの瞳には涙が浮かんでいた。

「今季は本当に調子が悪くて、何度も自信を失いかけた。正直、勝てるなんて思っていなかった。それでも、どこかで“私にもできる”と信じたかった」。その想いが、現実となった。

 スウェーデン勢による全米制覇は、リサロッテ・ノイマン(1988年)、アニカ・ソレンスタム(1995年、1996年)に続いて史上3人目。偉大な先人たちの名に肩を並べた25歳は、確かに新しい時代の旗手となった。スタークの名は、これからもっと多くの栄光とともに語られることになるだろう。

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