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ウィニングパットも即決 “世界最速”ライアン・フォックスが全英制覇

更新日:2026/07/20 11:22
ウィニングパットも即決 “世界最速”ライアン・フォックスが全英制覇
ウィニングパットを決めた瞬間のライアン・フォックス(写真:Getty Images)

 

 19日、全英オープンの最終ラウンドがロイヤル・バークデイルGC(英国)で行われ、ライアン・フォックス(ニュージーランド)が通算10アンダーでメジャー初優勝を飾った。勝負を決めたのは、驚異的なプレースピードだった。

 18番グリーンでは通常、優勝を決めた選手が歓声に包まれ、その瞬間をじっくり味わう。しかし、この日のフォックスは違った。

 同組のサム・バーンズが先にカップインしてからわずか22秒後。観客の拍手も鳴りやまないうちに、約3メートルのバーディパットを沈め、一気に勝負を決着させた。あまりの早さに会場全体が状況を理解する間もなく、フォックスはメジャータイトルを手にした。

 フォックスはショット選択やクラブ選びに時間をかけないスタイルで知られる。幼少期にクリケットやテニスで培った瞬時の判断力は、ゴルフでも変わらない。

 キャディのディーン・スミス氏は「彼はおそらく世界で最もプレーが速い選手だ」と評し、フォックス本人も「何事も几帳面なタイプではない。考える時間が短いほど、余計な考えが頭に入ってこない」と話している。

 近年のプロゴルフでは、1ラウンド5時間を超えることも珍しくなく、入念なルーティンが一般的。その中でフォックスのテンポの良さは異彩を放っている。

 ロイヤル・バークデールは、ティーショットからアプローチまで数多くの選択肢がある戦略性の高いコースとして知られる。一方で、選択肢の多さは迷いを生み、ミスショットにつながるケースも少なくない。

 フォックスは「クラブを決めて、打つだけ。それほど難しいことではない」と語るように、決断したら即実行。その積み重ねが優勝につながった。

 最終日は一時、首位のキャメロン・ヤング(米)に2打差をつけられる苦しい展開となった。それでも15番ではバンカー際からリカバリーし、流れを失わないボギーで踏みとどまる。

 迎えた18番では、プレーオフではなく「この場で勝つ」と決断。アイアンではなくドライバーを握ると、フェアウェイ中央へ完璧なショット。2打目を9番アイアンでピンそばにつけ、最後はバーディーパットを沈めて自ら優勝を決めた。

 フォックスのゴルフ人生は決して順風満帆ではなかった。競技を本格的に始めたのは17歳。プロ転向は20代半ばで、DPワールドツアーの新人となったのは30歳、PGAツアーのルーキーは37歳だった。

 昨年ようやくツアー初優勝を飾ると、その勢いのまま39歳で悲願のメジャータイトルを獲得。過去10年間でフォックスより年上でメジャーを制したのは、タイガー・ウッズ(米)とフィル・ミケルソン(米)の2人しかいない。

 ツアーでは、そのプレーの速さを称賛する声が絶えない。世界ランク1位のスコッティ・シェフラー(米)も、今年のWMフェニックス・オープンで同組となった際、「(3人いるのに)2人だけで回っているような感覚になる」と驚いたという。

 フォックスは「褒め言葉なのか皮肉なのか分からなかった」と笑うが、そのスタイルを変えるつもりはない。

“世界最速”とも評されるプレースタイルを貫いた39歳は歴史ある舞台で、ついにメジャーチャンピオンの称号を手にした。

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