二階堂蓮がミズノのフィッティングで「病み付きになる」打感を体験 ゴルフとスキージャンプに共通するギア選び
スキージャンプの第一線で活躍する二階堂蓮選手(日本ビール所属)が、都内の「MIZUNO TOKYO」でクラブフィッティングを受けた。ジャンプスーツでミズノ製品を使用してきた二階堂選手にとって、ゴルフでも「道具との対話」は欠かせないものだった。
ミズノのフィッティングは、わずか3球の試打データから最も合うシャフトやクラブヘッドを導き出す仕組み。専用計測器「シャフトオプティマイザー3D」を用い、9つのスイング要素を計測。そのデータからアイアンでは最適な推奨シャフト、ヘッドやライ角などが割り出され、数百通りの組み合わせからその場で試打して確認できる。
二階堂選手の場合、最も合ったのはアイアンヘッドがMizuno Pro M-13、シャフトはDynamic Gold 95(300R)だった。Mizuno Pro M-13は2025年8月29日に発売された新モデルで、打感へのこだわりを軸に番手ごとに最適な構造を施す“番手別最適設計”を採用している。
4番、5番はクロムモリブデン鋼とステンレススチールのフルポケットキャビティ構造で、高初速エリアを拡大し大きな飛距離を狙える。6番から8番はマイクロスロット構造を薄肉化し、操作性と反発性能を両立。
9番からGWはフェースネック一体成型の1ピース軟鉄鍛造により心地よい打感と高い操作性を提供。また、全番手に搭載されたトリプルカットソールがインパクト後の抜けの良さと安定感を高め、アスリート志向のゴルファーの期待に応える設計となった。
実際に打ってみた二階堂選手は、「経験が浅いので良い当たり方は多くなかったですが、その中で今日イチのショットは、打った瞬間の感覚が良いというか、打つ時の衝撃が伝わって、その後の抜ける感じが今までにない感覚で、新鮮でした」と感想を語った。
もう一つの候補として挙がったのが「Mizuno Pro M-15」アイアン。特長としては、4~7番にはソール下部に約50gのタングステンウエイトを浮かせて配置することで重心を低く深くし、高弾道の打球を打ちやすくするとともに、フェースとソールが連動してたわみを生み出し、反発性能を向上させている。
また、4~8番にはMizuno Pro M-13の一部と同様のコンターエリプスフェースを採用し、前作のMizuno Pro 245と比べて高初速エリアを約8%拡大することで、より安定した飛距離を実現。なお、8番には同じフェース構造を持ちながらも、あえてタングステンウエイトを配置せず、番手ごとの飛距離や弾道高さを考慮した番手別最適設計とした。
9番~GWは軟鉄鍛造による半中空構造を採用し、心地よい打感を残しつつ重心を高めに設定することで、短い番手に必要な低い弾道と高いスピン性能を追求。中空構造でありながら、まるでマッスルバックのようなMizuno Proらしいシャープでシリアスなデザインも特徴だ。
二階堂選手にMizuno Pro M-13が最適だった理由は、二階堂選手はダウンブローに打つ傾向にあるため、M-13のロフト(7番)が32度であるのに対し、M-15は29度と立っており、M-15を使うとさらにロフトが立って当たり、飛び過ぎてしまうことから、M-13の方が望ましいと判断された。
二階堂選手は、兵庫県のミズノテクニクス氷上工場で製作されているのジャンプスーツを着用しており、その機能性については、「製品のイメージに関しては、機能性があると感じています。動かしやすかったり、自分の理想の動きをアシストしてくれるイメージが強いです。陸上のトレーニングもそうですが、飛んでいる時にもその動きやすさのサポートはすごく感じます」と語る。
「競技で携わってるところを見ると、どれだけ選手が良い結果を出せるか、その選手のパフォーマンス向上のためにどれだけするか。例えば、飛んでいる時のスーツのシワの寄り方など、できるだけ無駄な空気抵抗を減らすための研究や工夫はこだわりを感じます」といい、自分に合うスーツを着ることで結果にも影響があるという。
「気持ちから違うというのはありますが、自分に合ったスーツを使っているので、思った通りの結果に導いてくれると感じる部分はあります。ハマった時は、めっちゃ気持ち良くて、飛んでいますね」
スーツに関するルールには「スーツは体にフィットした形状でなくてはならない」「スーツのゆとりは選手のヌードサイズの+2~4cm以内」など細かく決まっているが、その中でもミズノのものづくりへのこだわりを二階堂選手も感じており、「できるだけルールの範囲内で攻める、そういうのがスキージャンプの特徴だと思います。ちょっとの差で結果が大きく変わってきます」と話した。
道具ありきのスポーツとして、スキージャンプとゴルフの共通点も感じている。「道具ありきのスポーツなので、スーツは自分のベストなものを作り上げていくので、そういう意味ではゴルフと似ている部分はあると思います」とコメントし、試打後は「もう一度打ってみたい、あの感覚をもう一度味わってみたい」と笑顔を見せた。
最後に、まだミズノのアイアンを試していない人に向けては、「本当に良いショットが打てたら“打感の頂き”というのが病み付きになるので、是非とも試してみて欲しいです」と話した。
二階堂選手は、スキージャンプで培った繊細な感覚と道具へのこだわりを、ゴルフでも持っている。フィッティングで自分に合った道具を手に入れたことで、ショットの感覚と結果がリンクする喜びを実感し、今後のゴルフへの挑戦にも期待を膨らませている。スポーツにおける道具の重要性と、自分に合ったものを見つける楽しさを改めて教えてくれる体験だった。
■二階堂蓮(にかいどう・れん)選手
2001年5月24日生まれ。日本ビール所属、北海道江別市出身のスキージャンプ選手。江別市立大麻東中学校2年時の2016年には雪印メグミルク杯ジュニア組を制する。高校3年時にワールドカップ札幌大会でW杯デビューを果たした。2023/24シーズンはワールドカップもフル出場し、札幌大会第2戦の7位を最高に、総合22位でシーズンを終えた。2024/25シーズンは世界選手権出場。3月にラハティ行われた、W杯団体スーパーチームでは、小林陵侑と組み、自身初の表彰台を獲得。W杯総合ランク19位、日本人としては2位でシーズンを終えた。